「書く」ことがケアとして有効と成り得るのか、臨床応用として乳がん、婦人科がん体験者に行ったセッションプログラムの結果を記述統計やインタビュー調査により考察し、その効果について検討した。プログラムについては「筆記療法」の先行研究や欧州での実態調査をもとに社会学、看護学をはじめとする多領域の研究者で考案し、月に1度6か月間継続した。「書く」ことは、自己を振り返り、内省し、自己肯定感を伴う自己再構築の機会となっていた。さらに、書いたことをグループで話し合うことによって、体験を共有、共感でき、このような場や仲間の存在がまた、がん体験者にとって前向きに生きるための一助となることが明らかになった。
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