研究課題/領域番号 |
25510016
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研究機関 | 富山国際大学 |
研究代表者 |
相山 馨 富山国際大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (10582629)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ケアマネジメント / 介護者支援 / アセスメントツール |
研究実績の概要 |
平成26年度は平成25年度に引き続き、介護自殺、介護殺人、高齢者虐待等に関する先行研究の分析を行うとともに、平成25年度に実施した介護者へのヒアリングやケアマネジメントに関わるケアマネジャーへのインタビューの結果をふまえ、介護者へのケアマネジメントを展開するためのアセスメントツールの構成・項目について検討し、「介護者のケアマネジメントスクリーニングシート」、「介護者のケアマネジメントアセスメントシート」を作成した。具体的には、人の生活全体をとらえる「生活エコシステム」の枠組みをもとにシートを構成し、先行研究や調査から明らかになった介護者ニーズや介護疲れの要因、介護者支援として効果的な社会資源を項目としてシートに配置した。また、ツールの活用方法や活用システムについても検討し、「介護者のケアマネジメントアセスメントツール活用マニュアル」を作成した。 作成したツールやマニュアルの構成、項目については、経験年数5年以上の保健・医療・福祉のケアマネジメント実践者8名によって「介護者のケアマネジメントアセスメントツール検討会」を開催し、検討した。また、実践者による検討後のツールについては、ケアマネジメントに関わる保健・医療・福祉・介護・司法等の学識経験者によりさらに精査した。その後、スクリーニングシートは居宅介護支援事業所のケアマネジャーが、アセスメントシートは地域包括支援センターの専門職が、3県11市町村にて17事例を対象に実践試行した。試行した居宅介護支援事業所のケアマネジャーや地域包括支援センターの専門職へのヒアリングを行い、ツールの改善点や活用性を明確にするとともにシートの構成や項目、活用方法や活用システムについて再検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現地調査においては研究協力者の尽力によりスムーズに着手できた。介護者ニーズや介護疲れの内容を具体的に把握するため、実践試行を冬期に設定したため、それにともない、実践試行後の居宅介護支援事業所ケアマネジャーや地域包括支援センター専門職へのヒアリングが年度末の実施となったが、おおむね順調に進展している。そのため、本研究のとりまとめに向けて計画を変更する必要はない見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は、介護者にとって有効なケアマネジメントが展開できる効果的なツールとなるよう引き続き検討を進める。また、ケアマネジメントプロセスのインテーク、アセスメント、プランニングの各局面において「介護者のケアマネジメントアセスメントツール」を活用する。また、プランニングの際のケア会議としては地域ケア会議を想定している。協力が得られた介護者については、プランニング後にケアの実施までを行い、活用システムの定式化について検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
ツールの試行とヒアリングについては、研究代表者に同行して現地で調査をサポートするスタッフの旅費を見込んでいたが、各地の研究協力者による調査に対する全面的なサポートが得られたことにより、スタッフの旅費の支出が少なくなった。また、研究協力者との現地での打ち合わせのための旅費を見込んでいたが、協力体勢が整っていることからメールや電話での打ち合わせで対応できたこともあり、当初の予算よりも支出が少なくなった。
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次年度使用額の使用計画 |
ツール検討に関する会議等を今後も開催する予定であり、専門的知識を有する者への謝金やスタッフへの協力費、会場費等に支出増が見込まれる。また、研究協力者の積極的なサポートや調整により、ケアマネジメントプロセスに沿った実践試行のケースが予定数を上回り、それにともないケア会議の参加者が大幅に増える見込みである。また、ツール活用後の調査を予定しており、全体的に謝金の支出増が見込まれる。ツールやマニュアルの印刷費やその他、関連図書の購入、事務消耗品等の支出も計画している。
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