研究課題/領域番号 |
25510020
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研究機関 | 関西福祉科学大学 |
研究代表者 |
都村 尚子 関西福祉科学大学, 社会福祉学部, 教授 (40573944)
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研究分担者 |
松田 美智子 天理大学, 人間学部, 教授 (90269746)
黒木 ひとみ 香川短期大学, その他部局等, 教授 (60353140)
家高 将明 関西福祉科学大学, 社会福祉学部, 講師 (10636236)
米澤 美保子 神戸親和女子大学, その他の研究科, 講師 (10515357)
三田村 知子 関西女子短期大学, その他部局等, 助教 (70624964)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | バリデーション / 認知症高齢者 / 地域生活支援 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は認知症高齢者へのコミュニケーション法である「バリデーション」を用いることで、認知症高齢者、支援者、家族、地域住民にどのような効果をもたらすかを明らかにすることにあり、平成25~26年度にかけてそれぞれの対象者に実践および検証を行った。具体的には、認知症高齢者を対象としたバリデーションの効果検証、支援者(福祉・医療専門職)を対象としたバリデーションに関する研修の効果検証である。結果、認知症高齢者には、正の感情を高め負の感情を抑える効果が確認され、支援者には認知症高齢者に対する信念を高める効果が一定程度認められた。わが国において客観的な実証が乏しかったバリデーションに関する効果について、認知症高齢者だけでなく、支援者についても明らかとすることができた。 また平成26~27年度にかけては、本研究の最終目的でもあり認知症高齢者の地域生活支援の要でもある地域住民対象に検証に取り組んだ。具体的には、認知症サポーター養成講座にバリデーションに関する研修を取り入れた教育プログラムの開発を行い、その効果検証を行った。結果、地域住民には認知症高齢者を肯定的なイメージを形成するのに有効であることが明らかとなった。この結果から、今回開発した教育プログラムが地域住民に対してある程度有用であることが示唆された。 これら一連の取り組みを通して、バリデーションの効果が認知症高齢者だけでなく、福祉・医療専門職や地域住民にも広く存在することが確認された。汎用性については、今後の課題であるが認知症高齢者が住み慣れた地域で支援する一つの方法として可能性を見出すことができたと思われる。 本研究の集大成として、バリデーションの活用例をDVDにまとめた。支援者や地域住民への認知症理解促進を働きかけるツールとしての活用を検討していきたい。
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