研究課題/領域番号 |
25510023
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研究機関 | 大阪樟蔭女子大学 |
研究代表者 |
瀬々倉 玉奈 大阪樟蔭女子大学, 心理学部, 准教授 (00243353)
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研究分担者 |
伊藤 篤 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (20223133)
辻 弘美 大阪樟蔭女子大学, 心理学部, 教授 (80411453)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 英国現地調査 / 英国文献調査 / 国内現地調査 / 家庭訪問支援先行事例 / 心理職による家庭訪問 |
研究実績の概要 |
本研究は,これまで医療・保健職を中心に活発な活動が展開されてきた母子保健領域において,新たな課題となっている「子育ち・子育て支援」に,心理職がいかに貢献しうるか,特に,家庭訪問事業に焦点を当てて検討するものである。 2014年度は,【1.海外先行事例現地調査】として,ホームビジティングサービスの実績がある,英国Southampton,及び,Brightonにおいて,以下の調査,情報収集・交換を実施した。(1)複数のChildren's Centersにおける現地視察,及び責任者や訪問助産師へのインタビュー調査。(2)英国在住で,該当サービスを享受した経験のある臨床心理士へのインタビュー調査(Southampton University)。(3)Sussex University教授らと共に,Brighton及び日本の子育て支援,特に家庭訪問支援に関するワークショップの実施。(4)Edinburghにて開発され,日本における家庭訪問支援にも導入されつつあるエジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)について,情報収集。 また,【2.海外の子育て支援の文献調査】として,英国及び米国について,文献調査を実施した。 さらに,【3.国内の保健センターにおける現地調査】として,複数の保健センターを対象に,心理職の訪問についてインタビュー調査を実施し,その一部については,英国・Edinburghで開催された14th World Association for Infant Mental Healthにおいて,成果を発表した。 上記の調査結果については,現在,分析・考察中であるが,英国におけるインタビュー調査においては,家庭訪問に心理職が関わることはまれであることが確認できた。また,国内の保健センターにおいては,家庭訪問に限らず,心理職への期待は高いものの,人材確保が困難という実態も確認された。 研究代表者の所属変更に伴い,2015年度は研究組織を一新し,本研究課題に関する,より,高度な知見を有する研究者に協力を得ることとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2013年度末時点で予定していた調査計画については,実施を完了しているが,調査結果の分析・考察は続行中である。
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今後の研究の推進方策 |
研究代表者の所属変更に伴い,分担研究者2名の削除及び,研究協力者1名の契約解除によって,研究組織の大幅な変更を行った。加えて,本研究課題のキーワードである「乳幼児精神保健学」にかかる国内の乳幼児精神保健学会会長,及び,世界乳幼児精神保健学会日本支部会長などを歴任する渡辺久子医師(前慶應義塾大学医学部専任講師・現LIFE DEVELOPMENT CENTER代表)を研究協力者に迎え,より,専門的な事例研究,海外先行例の検討を行う計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2014年度は,国内の保健センターにおけるインタビュー調査については,研究代表者の所属機関近隣を中心としたこと,また,国内外を含めて,調査対象者が謝金を受け取らなかったことなどにより,次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
2015年度は,複数の専門家から,専門知識の提供を受ける予定であることと,研究代表者所属機関から離れた国内の保健センターに調査に出向く予定にしていることとから,次年度使用額は有効に活用するよう計画している。
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