研究課題/領域番号 |
25511002
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研究機関 | 神田外語大学 |
研究代表者 |
金 キョンファ 神田外語大学, 外国語学部, 講師 (90646481)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | モバイル・メディア / メディア人類学 |
研究実績の概要 |
当該年度は、前年度の研究課題の理論的検討に基づき、実際のフィールドワークに入った。具体的には、上海(中国)、ソウル(韓国)、ヘルシンキー(フィンランド)で、それぞれ一次的なフィールド調査を行った。とくに、韓国とフィンランドの場合は、第二次調査に向けてのさらなる議論を進めている。
片方では、前年度に引き続き、これまでの研究実績について発表を行った。Annual Conference of Media Ecology Association(Toronto, Canada) および Crossroad Conference of Cultural Studies (Tampere, Finland)において、自らパネルを提案し、セッションの司会をつとめながら、発表をも行った。さらに、和文と英文ともに、論考の発表を進める機会を与えられ、執筆を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
韓国とフィンランドでのフィールド調査は概ね順調に進んでいるが、中国でのフィールド調査はやや遅れている。一番大きな理由は、当該研究プロジェクトを開始する以前から中国側の研究パートナーとして想定していた復旦大学の李双竜教授が、個人的な事情のため、研究に積極的に関わることができなくなったためである。26年度に、李先生に代わり、復旦大学にBaohua Zhu先生と研究協力体制を組むようになった。中国側との共同研究ネットワークを新たに築くことはできたものの、本格的な中国でのフィールド調査までにはまだ課題があり、時間がかかると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
27年度は、次の三通りに、研究活動を積極的に進めるつもりである。
① やや遅れている中国での調査より、着実に成果が出ている韓国とフィンランドでのフィールドワークにまず集中すべきだと判断している。 ② とくに、フィンランドのヘルシンキーでの二次フィールドワークおよびアールト大学でモバイル・ワークショップを開催することを進めており、夏休みを目安にスケジュールの調整に入っている。 ③ 理論的な検討および国際的なネットワーク作りの成果を可視化する。
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次年度使用額が生じた理由 |
25年度に引き続き、中国でのフィールド調査に遅れが出てしまった。中国での調査に割り当てた金額が未使用額として残っている。初年度から中国側の相談相手だった研究パートナーが個人的理由のため、積極的に研究を進めることができなくなったことが大きい。
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次年度使用額の使用計画 |
26年度に中国側の研究パートナーとの協力体制が新たに作れた。遅れてはいるが、27年度にあらためて、フィールド調査を進める。一方に、以前は中国での調査に使用するつもりだった一部の研究費は、すでに研究協力体制が出来上がっている韓国およびフィンランドとのフィールドワークに回し、まずは研究プロジェクトの最後年度にふさわしい成果を残すことを目指す。つまり、中国でのネットワークを築きつつ、本格的な成果が出せるケースに重点をおくことに戦略を修正する。
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