研究課題/領域番号 |
25511004
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
永田 恵子 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10588693)
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研究分担者 |
高木 真人 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (10314303)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 日本 / 東アジア / 伝統住宅 / 家具 / 室内意匠 |
研究概要 |
中国および韓国の伝統家具調度類については書籍資料を中心に16-19世紀の貴族住宅における室内意匠と使用される家具調度類の構成に関する情報収集を行った。 日本の伝統家具調度類の構成と歴史的変遷および設計製作技術については、これまでに行った近世以前の伝統家具調度類に関する建築史料(建築書系道具雛形)の分析考察に加え、明治期の生活用具あるいは商用具の構成について明治期雛形本史料を対象に分析を行った。結果、道具の種類、構成、寸法、材料、形態などの特徴を明らかにするとともに、ガラスを多く使用することや、色付けの指示に関する記述がみられ、明治時代の意匠的あるいは技術的な指示として特徴的であることを指摘した。また『和洋家具雛形』に記載される伝統家具調度類の構成においては、機能的には家什具・商工具・飲食具などが挙げられる。具体的にみると近世以前を踏襲した和の道具(例:曲ろく・硯箱・鏡台等)と、西洋から導入したと考えられる家具(テーブル・椅子・寝台等)、さらにもとは西洋家具でないものの明治時代に新たに日本人の生活に取り入れられたと考えられる家具(例:ハイラズ・シッポク台)などが認められ、和洋の道具家具が混在する様相がうかがえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね順調に情報収集を行い、分析の過程にある。 研究成果については適宜、日本建築学会、日本インテリア学会、日本生活文化史学会、archtheo:theory of architecture国際会議で発表していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
データの分析と比較を行い、日本の伝統建築における室内意匠の特徴と東アジアの住宅の室内意匠との共通点と差異を明らかにするとともに、気候風土に根ざした伝統家具調度類の変遷について考察する。
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次年度の研究費の使用計画 |
中国東南部およびタイにおいて調査を予定していたが当該地域の社会的混乱等の時事的状況から25年度内の現地調査を行うことがなかった。 東アジア地域において適宜情報収集を行い準備が整い次第追加調査を行う。データ分析については技術補佐員を配置して滞りなく行い、復元的考察は代表者が行う。
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