研究課題/領域番号 |
25511011
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研究機関 | 甲南女子大学 |
研究代表者 |
ウォント 香織 (ウォント盛香織) 甲南女子大学, 文学部, 准教授 (30348908)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ハーフ / 国際結婚 / 多文化共生 / ハパ / 戦争花嫁 / ハーグ条約 / 国籍法 / ステレオタイプ |
研究実績の概要 |
研究のインプットとして、夏にボストンとワシントンDCにおいて、日本人戦争花嫁の方へのインタビューを行ったり、アメリカにおけるアジアパシフィック系多人種の人々(ハパ)に関する論文収集、国会図書館での明治大正期の混血の人々に関する資料収集を行った。 アウトプットとしては、2015年4月に大阪で行われた国際学会The 5th Asian Conference on Literature and Librarianshipにおいて、Power of Whiteness and Pain of Mixedness in Bryan Ascalon Roley’s American Son,という発表を行った。同年12月には、招待講演で台湾のAcademia Sinicaにおいて行われた国際学会、Re-Visioning Activism: The 4th International Conference on Asian British and Asian American Literaturesにて、Effects of Multiracial Movement on Japanese American Community and Literaturesという論文の発表を行った。 論文としては、映画評論のHAFU: The Mixed Race Experience in JapanをカナダのThe University of British Columbiaが出版しているPacific Affairsから発表した。また、アメリカのRutgers Univrsity Pressから2016年度に出版予定のRed, Brown, Black and Yellow: Decentering Whitenessという書籍の共同執筆を行った。同じく2016年度にUniversity of San Franciscoが出版しているAsia Pacific Perspectiveという学術誌に論文が掲載予定の論文の執筆も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2015年度は、前年度と同じく、ハーフの関する各種資料の収集を行い、学会発表や論文発表を積極的に行った。特に2015年度は、先行研究でもあまり触れられていない、明治・大正期の混血の人々に関する資料をたくさん集めることができ、日本におけるハーフの歴史研究に厚みを加えることができた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究も研究年度としては後半に入った。学会発表や論文発表で作成した論文数もある程度できてきたので、現在までの研究をまとめていく作業を、2016年度は始めたい。 また、ハーフの経験として、歴史的にハーフ人口の多い港町や都市圏、米軍基地地域(横浜、長崎、神戸、沖縄等)に在住の方々の経験が研究対象となっているので、できればこうした地域以外で育ったハーフの方々の経験をインタビューし、地域によってハーフの経験にどのような差異が生じるのかといった視点での研究にも着手し、バランスのとれた研究を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究内容を広く社会に周知するために、ホームページを立ち上げる予算を立てたが、2015年度もほかの作業で手が回らず、作成できなかったため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
本研究も研究結果がまとまってきたので、長らくの懸案であったホームページ作成を、2016年度はめざし、予算の適正執行を行う。
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