研究課題/領域番号 |
25511012
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研究機関 | 成城大学 |
研究代表者 |
吉澤 英樹 成城大学, 文芸学部, 非常勤講師 (30648415)
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研究分担者 |
北山 研二 成城大学, 文芸学部, 教授 (90143130)
三宅 美千代 慶應義塾大学, 法学部(日吉), 講師(非常勤) (50434246) [辞退]
柳沢 史明 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教務補佐員 (10725732)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 黒人文化表象 / 第一次世界大戦 / ハーレムルネサンス / セネガル狙撃兵 / 国際研究者交流 / モダニズム / 文化相対主義 |
研究実績の概要 |
研究期間の延長により、実質最終年度となった本年は、前年度に論集『ブラック・モダニズム』(未知谷、2015)という形で世に問うた共同研究の成果を周知させる活動を主眼とした。しかし、2017年1月への開催延期が予告され、研究代表者が参加を予定していたセネガルにおけるシンポジウムは政情不安から最終的に中止となった。それゆえ、本年は日本国内で、研究代表者は研究分担者(含旧研究分担者)とともに周辺テクストの翻訳ならびにその出版準備を進めた。その成果として、所属研究機関を移籍し研究分担者から研究協力者に戻った三宅美千代が、翻訳カール・ヴァン・ヴェクテン『ニガー・ヘヴン』(未知谷)2016年9月に出版した。ヴァン・ヴェクテンは、アメリカのハーレム・ルネサンスに深い理解を示した白人文化人であり、重要性は認識されていたものの、これまで日本において翻訳が出版されたことはなかった。この出版は、読売新聞など一般紙に書評が掲載され、反響を呼んだ。またこの主題に連関し、研究代表者の吉澤は、ヴェクテンとともに米『ヴァニティ・フェア』誌に寄稿し、当時の黒人文化に関心を持ち『ニガー・ヘヴン』(フランス語版)の序文を執筆したフランス人作家ポール・モランによるモダニズムの時代における黒人文化を主題に据えた短編小説集『黒い魔術』(1928)についての学会発表を行った。本年度行ったこの成果発表は、フランス・モダニズム期における保守陣営における他者理解を解明することを目指す次研究との移行的なものとして発表した論文と対になるものである。今後は、本研究を発展させる形で共同研究班を組織し、他者表象から垣間見られる両次対戦間における保守的文化相対主義を明らかにする予定である。
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