研究課題/領域番号 |
25512011
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
山鹿 久木 関西学院大学, 経済学部, 教授 (50334032)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | GIS / 高速道路 / 差の差の手法 |
研究概要 |
本研究の特徴は、都市属性空間に変化をもたらすような交通インフラの状態(開発、整備、衰退)が、土地利用の変化や地域住民の移動にどのような影響を与えているのかを、地方都市を対象に町丁目といった細かいレベルのデータを用いて空間的にみることにあった。そこで本年度は、交通インフラに焦点をあて、その中でデータが比較的整備されている高速道路の時系列データを用いて分析を行った。このデータは、国土交通省が数値情報データとして整備しており、GISですぐに使用可能な状況でまとめられている。 その中の高速道路時系列データとは、全国の高速道路網の路線及び接続部の開業情報として路線名、地点名、供用開始年、供用更新年等などの変遷情報を路線形状(線)、接続部位置(点)ごとに時系列的に整理したものである。 このデータを用いて、本年度はDifference in Differencesの手法を用いて、高速道路のインターチェンジの新設の影響を、公示地価にみることを行った。その結果、商業地域や工業地域については、新しく開通したインターチェンジから半径10km以内の地価の下落率が、それより外の地域の下落率と比べて、小さいことがわかった。高速道路のインターチェンジの新設は流通網に影響を与えるが、その影響が非常にあると考えられる商業地域や工業地域において、そのことが顕著に表れていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
必要なデータベースの購入と整備は進んでいるが、その後の分析の着手が遅れている。特にまちづくり3法の具体的な影響についての調査が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度では、まちづくり3法改正の影響を定量化することにも目的があるため、政策評価でよく用いられる手法である、DID(Difference in Differences)分析やQuantile分析、Propensity Score matching methodsなどを行う。特に今後は、まちづくり3法に焦点をあて、その影響についての空間分析を焦点にして分析をすすめていきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
データベース作成に予定以上の時間がかかり、購入予定であったデータベースの予算が未使用となったため。 データベースの整備が完成したのち、予定通りのデータベースの購入を検討する。ただし、その他のプロジェクトでのデータが一部使える可能性が出てきたため、その額は変動する可能性がある。
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