研究課題
1.検体採集の継続大阪大学医学部附属病院、大阪府立成人病センター、大阪がん循環器病予防センター、古妻クリニック、及び市立貝塚病院の5施設で、乳頭分泌液 (ND) の採取が実施され、2015 年度は14検体、2013-2015 年度通して29検体を受領した。2.(グライコ)プロテオミクスによる乳癌診断腫瘍マーカー(糖)タンパク質候補の同定及び定量法の開発N-グリコシド結合糖鎖還元末端グルコサミンへの alpha-1,6 結合フコシル化の乳癌での挙動を探究するため、AAL (Aleuria aurantia Lectin) を用いたレクチン LC を使用し ND 検体から糖タンパク質を分取した。その後二次元ナノ LC(RP-RP)-MS/MS を用いて測定し、乳癌患者 ND により多く発現している糖タンパク質としてホルネリンを同定した。当該結果は特許(WO2014/132869)にて公開されている。ホルネリンは詳細解析に有効な抗体及び抗原精製法が確立されていないため、合成ペプチド2種を用いて免疫ウサギ抗体を作成しホルネリンに対する反応性を確認した。その結果、1種の抗体についてホルネリンとの反応性が好ましいことを確認したため、今後、当該新規抗体を用いてホルネリンの詳細解析を実施すると共に、ホルネリンの簡易アッセイ系の確立を行っていきたい。また、浸潤性乳癌診断腫瘍マーカー候補タンパク質4種、非浸潤性乳癌診断腫瘍マーカー候補タンパク質7種を選定し、これらの結果を特許出願(特願 2015-217201 号、特願 2015-217202 号)すると共に科学雑誌に論文掲載された (Kurono, S. et al. PROTEOMICS - Clinical Applications, in press)。さらに、抗体を用いない乳癌診断腫瘍マーカータンパク質候補の絶対定量法として、ヨードアセトアニリド及びその 13C 同位体置換物を用いた手法を開発し科学雑誌に論文掲載された (Kurono, S. et al. Bioorg. Med. Chem. Lett. 2015, 25, 1110-1116)。
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生産と技術
巻: 68 ページ: 72-77
PROTEOMICS - Clinical Applications
巻: 未確定 ページ: 未確定
Bioorg. Med. Chem. Lett.
巻: 25 ページ: 1110-1116
10.1016/j.bmcl.2014.12.090