研究実績の概要 |
課題1「新規吸着剤の設計、合成、開発」では、「前処理カラムの充填剤用ポリマー」や「有機ハロゲン抽出用の高分子吸着剤及び有機ハロゲン化合物の抽出法」など、多機能型・逆相-イオン交換型・両性イオン交換基導入型・ハロゲン選択性吸着剤:化学物質に対応した低濃度対応・高感度・選択的分析手法、選択的吸着、捕集、溶出など、新規吸着剤の合成開発を進展させた。大気捕集用パッシブサンプラーの捕集用焼結チューブを開発し、VOCの環境モニタリングに応用した。 課題2「環境モニタリングへの応用と汚染評価」は、(2-1) 大気中の4種の揮発性有機化合物(VOC)、大気PM 中の16種類の多環芳香族炭化水素(PAH)をGC/MSを用いて定量する。 (2-2)尿中PAHの代謝産物としての水酸化PAHの前処理-測定システムの開発:3種類のPAHとしてnaphthalene, pyrene, phenanthreneを対象とし、それぞれの代謝産物である1,2- naphthalene, 1-hydroxypyrene, 1-, 2+9-, 3-, 4-hydroxyphenanthreneをLC-MS/MSで定量する。一斉分析のための前処理法を開発した。(2-3)尿中DNA損傷性のバイオマーカーの測定:PAH等による活性酸素バイオマーカーとして尿中8-hydroxy-2’-deoxyguanosine(8-OHdG)を分析した。 さらに、尿代謝物分析では、PCB処理サイトやPCB輸送における大気放出評価と低減、作業者の化学物質曝露評価に迅速に対応できる尿試料分析手法を開発した。PAH曝露評価には誘導体化を必要としないLC/MS分析によるPAHの水酸化代謝物の高感度分析を開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
課題1「新規吸着剤の設計、合成、開発」は、研究協力者(井上嘉則ら)が、「前処理カラムの充填剤用ポリマー」(P5492084, 2014.5.14)や「有機ハロゲン抽出用の高分子吸着剤及び有機ハロゲン化合物の抽出法」(P5511442, 2014.6.4)などの特許を取得し多機能型・逆相-イオン交換型・両性イオン交換基導入型・ハロゲン選択性吸着剤:化学物質に対応した低濃度対応・高感度・選択的分析手法、選択的吸着、捕集、溶出など、新規吸着剤の合成開発を進展させた。大気捕集用パッシブサンプラーの捕集用焼結チューブを開発し、VOCの環境モニタリングに応用した。 課題2「環境モニタリングへの応用と汚染評価」は、(2-1) 大気中の4種の揮発性有機化合物(VOC)、大気PM 中の16種類の多環芳香族炭化水素(PAH)をGC/MSを用いて定量する。 (2-2)尿中PAHの代謝産物としての水酸化PAHの前処理-測定システムの開発:3種類のPAHとしてnaphthalene, pyrene, phenanthreneを対象とし、それぞれの代謝産物である1,2- naphthalene, 1-hydroxypyrene, 1-, 2+9-, 3-, 4-hydroxyphenanthreneをLC-MS/MSで定量する。一斉分析のための前処理法を開発した。(2-3)尿中DNA損傷性のバイオマーカーの測定: PAH等による活性酸素バイオマーカーとして尿中8-hydroxy-2’-deoxyguanosine(8-OHdG)を分析した。 さらに、尿代謝物分析では、PCB処理サイトやPCB輸送における大気放出評価と低減、作業者の化学物質曝露評価に迅速に対応できる尿試料分析手法を開発した。PAH曝露評価には誘導体化を必要としないLC/MS分析によるPAHの水酸化代謝物の高感度分析を開発した。
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今後の研究の推進方策 |
今後、(1)セルビア研究者、日本研究者、日本のPCB作業従事者の尿中代謝物の比較を行う。(2)大気中PCBをパッシブエアーサンプラーによる各異性体のsampling rateを算出する。 課題1「新規吸着剤の設計、合成、開発」では、(1-1)「尿中代謝物分析用の多機能吸着剤の設計と合成」では、最終年度として、選択的捕集・溶出条件の最適化を、(1-2)「パッシブサンプラー用焼結樹脂多孔体試作」では、個人曝露評価用バッジ型パッシブサンプラーを試作する。 課題2「環境モニタリングへの応用と汚染評価」では、(2-1)「生体モニタリング(尿中バイオマーカーの分析法開発)」では、尿中DNA損傷性バイオマーカー測定を実施し、(2-2)「大気モニタリング(VOC, PAH, PCB)」結果との関連を整理し、大気汚染物質と尿中バイオマーカーとの関連性評価を解析する。 課題1、課題2を通して、尿中VOC, PAH、PCBバイオマーカーを大気汚染物質と関連付けて解析し、化学物質の負荷を定量化することにより、作業者のリスク低減のための方策を提案する。
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