生体を構成する糖タンパク質の多くは小胞体・ゴルジ体で糖鎖修飾され、主に細胞膜に局在したり、分泌されたりすることが分かっている。一方、ミトコンドリアタンパク質は上記の小胞体・ゴルジ体を介さない遊離リボソーム→ミトコンドリアという生合成経路が一般的に提唱されており、糖タンパク質は存在しないと考えられていた。しかし、糖鎖修飾機構を介さないミトコンドリアにおいても糖タンパク質の存在を裏付ける報告がこれまでに散発的にされている。そこで申請者はその存在が不明であったミトコンドリア糖タンパク質をプロテオーム技術によって網羅的に解析し、現在13種の新規ミトコンドリア糖タンパク質の同定に成功した。
|