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2014 年度 実施状況報告書

1細胞・組織In-Situオンタイム薬物代謝解析法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 25513013
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

伊達 沙智子  独立行政法人理化学研究所, 生命システム研究センター, リサーチアソシエイト (60649747)

研究分担者 升島 努  独立行政法人理化学研究所, 生命システム研究センター, チームリーダー (10136054)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード一細胞分析 / 蛍光顕微鏡観察との組み合わせ / 再現性、定量制の向上
研究実績の概要

平成26年度は、一細胞質量分析法に蛍光分析を組み合わせ、細胞の視覚的な情報と分子の存在量を同時に追跡する手法の検討を中心に行った。具体的には、ヒト乳がん細胞MCF7へ抗乳がん剤であるタモキシフェンを投与し、1日後にアポトーシス細胞を標識する蛍光標識タンパク質のキットを投与・染色したのち、アポトーシスの程度を蛍光顕微鏡で観察・撮影した。タモキシフェンはがん細胞に対してアポトーシスを誘発し、その増殖を抑えることが知られている。 個々の細胞のアポトーシスの段階を顕微観察下で確認しながら細胞を採取し、細胞中の内因性分子の質量分析を行った。その結果、アポトーシスの進行した細胞中ではアポトーシスの起こっていない細胞に比べ、グルタチオンの枯渇やTCAサイクルの代謝物の減少が見られた。本法を用いることにより同様の環境に暴露された細胞でもアポトーシスのステージによってそれぞれ異なる分子応答を示すことがわかった。この結果から、抗癌剤などの種々の薬物に対する細胞ごとの応答を個々の細胞の状態と共に分析することによって、薬物の作用機序や毒性発現メカニズムの詳細な解明が期待される。また、このように細胞の状態を定義・選択しながらサンプリングすることによりデータの再現性も向上すると考えられる。
この成果は一細胞薬物代謝分析の研究成果と併せて、米国質量分析学会で発表した。
また、質量分析の測定方法の改善にも取り組み、その結果、分析の検出効率、再現性、定量の精度が向上した。昨年度よりも信頼性の高い、有益なデータが得られるようになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

質量分析や蛍光顕微鏡分析などのアプリケーション、分析の重要な部分である再現性の確保を優先して進めたため、組織を用いた分析をあまり進められなかった。
次年度はこれまでに固めた分析の基礎を活かせるように組織切片の作製や実際の分析に注力する。

今後の研究の推進方策

前年度までで得られた知見や測定条件を用いて動物組織を用いた実験を進める。
サンプルとなる切片の作製方法、サンプリング方法の検討、染色の検討などを中心に行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Single Cell Drug Discovery2014

    • 著者名/発表者名
      Sachiko Date, Hajime Mizuno, Tsuyoshi Esaki, Ai Fujita1, Tsutomu Masujima, Haruo Iwabuchi, Makoto Takei, Hideo Takakusa, Takashi Izumi, Setsuko Fujita, Shuichi Matsuda, Motohiko Morihara, Kiyoko Bando, Jiro Deguchi, Yasunori Fukuda, Naoki Tarui
    • 学会等名
      62nd ASMS Conference on Mass Spectrometry and Allied Topics
    • 発表場所
      Baltimore Convention Center, Baltimore, America
    • 年月日
      2014-06-15 – 2014-06-19
  • [備考] 一細胞質量分析研究チーム|QBiC 生命システム研究センター

    • URL

      http://www.qbic.riken.jp/japanese/research/outline/lab-05.html

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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