研究実績の概要 |
関節リウマチrheumatoid arthritis (RA)患者は古来、性格が固く、リウマチ気質と呼ばれたが、これまでの研究は炎症性サイトカイン過剰の重要性を指摘し、とくに私達は増殖性転写因子c-Fos及びIL-1の過剰が関節破壊に重要で、c-Fos亢進は直接細胞周期蛋白Wee1を増加させてRAに特徴的な“腫瘍様”滑膜増殖を来し、独自に開発したc-Fosの拮抗的阻害薬が関節破壊を完全に阻止し、そしてWee1増加が“時計遺伝子”に働いて関節炎を悪化させることから、リウマチ気質が独立症候でなく病態(c-Fos過剰)の結果である可能性を指摘してきた。本研究では、RAの疾患活動性と睡眠の質の関係について、RA 284例でみたPittsburghスコアはglobal score 6.42±2.76 と正常域5を超えて有意に睡眠障害があると判断された。アクチグラフィーでは %sleep 89.1±10.5, total wake after sleep 49.5±45.2 min, average wake after sleep onset 9.9±23.3times と健常対照者に比し睡眠障害が示唆され、これら指標は血中CRP値と腫脹関節数と相関を示した (p<0.02)。生物学的製剤治療RA 517例(トシリズマブ175例、アバタセプト98例、インフリキシマブ144例)においてこれら睡眠の質障害が有意に改善された。
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