研究課題
基盤研究(C)
平成25年度はモーションキャプチャや立体視カメラ等を用いて東北地方の伝統的民俗芸能の記録を中心に行った。具体的には伝統芸能の継承の場、発表の場に行きモーションキャプチャおよび立体視カメラによる芸能の撮影を行った。モーションキャプチャを行った芸能は、福島県1、宮城県1、岩手県1、秋田県1、青森県1、北海道1である。立体視カメラで撮影した映像は、宮城県の30芸能である。また、記録するだけでなく、そのデータをもとにコンピュータ・グラフィックス・アニメーションの作製を試みる。加えて、成果を社会への還元するため博物館等での活用についても検討をはじめた。さらに継承者らにインタビューを行い言葉による芸能の記録も同時に行うとともに、テクノロジーを活用した継承方法について意見をもらい、次年度以降具体的に行うテクノロジーを活用した継承支援の方法について各団体の実情に合わせて検討を行った。そして、それらを実践する団体として秋田県横手市の民俗芸能1団体、岩手県大船渡市の民俗1団体の承諾を得て、26年度より本格的に実践することとした。また、これらの成果を広く社会に公開するために、一般公開用に専用のWEBサイトを立ち上げた。WEBサイトで紹介した芸能の動画では多いもので年間2000回再生されている。加えて被災者支援も目的の一つとして仙台市の仮設住宅において伝統芸能の公演を企画した。その他、研究成果をED-Media(カナダ)において発表しOutstanding Poster Awardを受賞した、その他教育工学会において研究発表を行っている。
2: おおむね順調に進展している
計画時、概ね30団体の記録を目指したがその程度の撮影・記録を行うことができた。しかし、多くは宮城県の芸能にとどまったので、今年度は他県の芸能の記録を行っていきたい。また、研究成果発表のためのWEBサイトを構築し広く一般に公開することができる体制を早くから整えることができた。
26・27年度は、25年度にモーションキャプチャ等を行った民俗芸能の中から、秋田県と岩手県の芸能を対象にし、モーションキャプチャや立体視映像を用いた継承の支援を行うこととした。具体的にはリアルタイムでモーションキャプチャのコンピュータ・グラフィックス、または立体視映像を見ながらの学習や、後で自分や師匠のコンピュータ・グラフィックスや映像を振り返ると言った活用を26年度、27年度にわたって継続的に行う予定である。そして、これらを継続的に活用して得られたデータ、また継承者らへのインタビューと現地での観察・調査をもとに、モーションキャプチャや立体視映像の学習効果やその効果的な使用法について、またテクノロジーの活用が継承者らに与えた影響について考察を行う。その結果をもとに、伝統芸能における継承者に対する支援方法を確立させたいと考えている。また、26年度以降も、25年度記録していない芸能の記録も継続的に行っていく予定である。
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Proceedings of EdMedia 2013: World Conference on Educational Media and Technology(The Leading Digital Library Dedicated ti Education & Information Technology)
巻: ED Media Vol. 2013, No. 1 ページ: 2320 2325
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