研究課題/領域番号 |
25516005
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
工藤 宣子 千葉大学, 教育学部, 准教授 (60305266)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 東日本大震災 / 養護教諭 / 自然災害 / 研修プログラム / インタビュー調査 |
研究概要 |
本研究は,東日本大震災の被災県に勤務する養護教諭を対象としたインタビュー調査の内容分析および先行研究による既存の研修プログラムの検討から、自然災害に対応した養護教諭の心的疲弊を防ぐ研修プログラムを構築するものである。 初年度の平成25年度は、第一に先行研究・関連文献の収集・既存の研修プログラムの内容の検討を行った。 第二に、震災当時、被災地に勤務していた養護教諭40名の名簿を作成し、そのそれぞれに研究について説明の機会をいただけるかの意思確認を質問紙調査にて実施し40名中17名から説明について承諾をいただいた。この17名のうち、インタビュー調査の同意が得られた養護教諭3名について、インタビューを行った。内容については現在分析中である。第三に研究協力者である現職指導主事等から紹介された、震災後被災地外から被災地に転勤した養護教諭2名を対象にインタビュー調査を行った。内容については分析中である。第四に同じく現職指導主事等から紹介された、他県から被災地の養護教諭へ後方支援した養護教諭のインタビュー調査を実施した。ただ、このインタビューについては、インタビュー終了後、本人から研究協力不許可の連絡をいただいたので、研究代表者の勤務する研究機関の生命倫理審査規定に基づきデータは削除済みである。第五に、各県・政令指定都市66カ所の教育センター等に自記式質問用紙を郵送し、養護教諭対象の研修等の実態について調査した。33カ所から回答が得られている。 また、上記の研究成果の公表については研究代表者・連携研究者・研究協力者で分担し、発表に向けて準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
先行文献及び関連書籍等の収集、教育センター対象の質問紙調査(養護教諭を対象とした研修の実施状況調査)は順調に進んでいる。 一方、当時被災地に勤務していた養護教諭を対象とした研究概要の説明およびインタビュー調査の実施が、調査担当者の現地訪問の日程調整が進まず、遅延している。また、被災地養護教諭を後方支援した他県の養護教諭のインタビューは、後日、該当養護教諭から協力不許可の連絡を受け、データを削除せざるを得なかった。そこで、「やや遅れている」という自己評価となった。
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今後の研究の推進方策 |
被災地および被災地外から被災地に転勤した養護教諭のインタビューデータの分析については、担当者間で協議し、研究推進する予定である。 後方支援した他県の養護教諭へのインタビュー調査は次の調査対象者の抽出を終え、インタビューの依頼を実施する予定である。 また、研究の説明及び調査協力依頼が進んでいない当時被災地に勤務していた養護教諭については順次、研究についての説明及びインタビュー調査を実施する予定であるが、調査対象となる地域が遠方のため、訪問の日程調整が難しい。しかし、今年度、インタビュー担当者の勤務大学における担当授業の時間割りを変更し、平日にも被災地を訪問しやすい体制を整えたので、研究を推進する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
初年度である平成25年度は、調査対象養護教諭へのインタビューが進まなかったため、その交通費及びインタビューデータの文字起しにかかる謝金の支出が予定より少額であった。 平成26年度は平成25年度に実施できなかったインタビューをさかのぼって実施する予定であり、そのための交通費及びインタビューデータの文字起しにかかる謝金として、昨年度の残金はおおむね初年度の計画通り支出する予定である。また、平成26年度は当初の計画通りに研究を推進する予定であり、当初の計画通り支出を行う予定である。
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