研究課題/領域番号 |
25516008
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
中島 典昭 高知大学, 教育研究部医療学系連携医学部門, 助教 (00335928)
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研究分担者 |
渡部 輝明 高知大学, 教育研究部医療学系連携医学部門, 講師 (90325415)
畠山 豊 高知大学, 教育研究部医療学系連携医学部門, 准教授 (00376956)
奥原 義保 高知大学, 教育研究部医療学系連携医学部門, 教授 (40233473)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 医療資源最適配置 / 南海トラフ地震 / 地理情報システム |
研究実績の概要 |
本課題研究の目的は、地域における疾患毎の患者分布の導出方法と想定される災害での被害予測に基づいた患者動態の予測方法の確立することで、災害時の医療資源最適な配置を予測することであった。地域での疾患別患者分布の導出では、実際の患者情報(疾患及び必要な薬剤)を元に、疾患別患者分布やその患者に必要な医療資源を地理情報システム上での推計する手法を採用した。災害発生時に予想されている被害情報を加味した災害時の患者の動態予測は、患者の居住住所から指定避難場所や救護所、医療機関に避難する際に、浸水や土砂災害の被災地域を通過に膨大な時間を要する工夫を用いて、最短時間で到達する場所を推定した。これから各避難場所に集まる患者の分布を導出し、患者に必要な薬剤を集計することによって、各避難所で一定期間必要な医療資源を算出した。 計画立案時は高知県全域のレセプトデータをもとに解析を進める予定であったが、入手に遅れが生じた為、高知大学医学部附属病院に受診歴のある慢性疾患患者(降圧剤、インスリン薬剤の処方歴あり患者)を対象にした解析を行うことで、解析方法自体の確立を図った。対象患者の住所データから導出した患者分布と災害発生予測図(南海地震による浸水予測図および土砂災害危険箇所)を元に、被災時に医療機関までの到達可能時間や到達可能な避難所などを地理情報システムにて推測し、一日あたりの薬剤必要量の推測から各避難所での必要量の導出が確かめられた。また、災害時の想定を、最大規模の発生ケースと最も確率が高いケースとで、患者動態が全県下でどのように変化するかを地域の代表点(小学校)から医療機関までの到達時間を比較した解析では、地理的な条件の違いにより、傾向が大きく変化ことが示唆された。今後、全県にわたる実データの入手方法を確立することで、期間内に達成できなかった医療資源配置の推計結果の導出を試みる予定である。
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