近年、世界各国は携帯電話やインターネットなど情報通信資本の著しい普及、進歩を経験している。この進歩は、自然災害による被害を軽減させる効果をもたらしているのであろうか。この研究では、1980年から2013年の世界120ヶ国のデータを用いて、携帯電話やインターネットの情報通信資本の普及が自然災害による死者数にどのような影響を与えているのかを固定パネル推計を用いて検証した。 得られた結果は情報通信資本の中でも携帯電話の普及は、有意に自然災害による死者数を減少させる効果があり、またその減災効果は、学校教育年数が高い国ほど大きくなることを示すものであった。
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