| 研究課題/領域番号 |
25516013
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| 研究機関 | 慶應義塾大学 |
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研究代表者 |
矢永 由里子 慶應義塾大学, 医学部, 特任講師 (70523447)
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| 研究分担者 |
川野 健治 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, その他部局等, その他 (20288046)
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| 研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| キーワード | 東日本大震災 / 被災者 / 支援者支援 / 地域支援 / PTSD / 持続可能な支援 / エンパワメント |
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| 研究実績の概要 |
2年目に当たり、東日本大震災の被災者支援としての多角的なフィールド研究を実施できた。
【被災者支援】被災者を支援する岩手県在住の担当者への研修会や意見交換を継続的に展開した。定期的に被災者支援に関わっている支援者（約90名）を対象に、岩手県内８カ所にて、支援の基本や長期支援を継続するに当たりチームワークのあり方について研修を実施した。研修内容は、支援団体の責任者やリーダーのニーズを踏まえ協議のうえで作成していった。結果は非常に好評で研修前後のアンケート調査より、研修で自身の支援者としての振り返りと今後の課題が明確になったことが判明した。
【大槌町 町民対象の聞き取り調査】分担研究者の川野健治氏（国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター）が、大槌町との契約締結のもと大槌町の町民のメンタルヘルスについての実際調査を実施した。過去に実施された町民対象のメンタルヘルス調査によって「要支援」群に当てはまる町民について、25名に対する聞き取り調査を自宅、公共機関などで実施し、貴重な町民の声を収集できた。
【学会発表、学会での交流・情報交換】①国内外のPTSD専門家を対象としたWPA Section on Epidemiology and Public Health-2014 Meeting（2014年10月17日 京都）にて、岩手県における支援者支援の活動結果を発表。支援者の状況やニーズを説明し、そこへの研修の働きかけとその効果について報告した。②International Society for Traumatic Stress Studies 30th Annual Meeting（2014年11月6～8日、マイアミ、米国）に参加した。震災を始め、自然災害、テロなどによるPTSDについて意見交換を行った。
【国際的学術交流について】米国同時多発テロ事件の遺族を長年に渡って支援しているマウント・サイナイ病院、Dr.Craig Katzと心理療法士を訪問。長期支援の現状と課題について情報交換を行った。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画していた現地の住民、住民支援に当たる現地の担当者、現地に出向く研究者など様々な層の人々とのアクセスが可能となり、支援者支援について、現地の地域住民の意見を反映する形で研修を実施することができた。また、その研修を通し、地域住民でかつ支援者でもある人々の生の声にも触れることができ、我が国の実情と特徴に沿った長期支援の際のケアのプログラム・ガイドブックや人材育成の研修プログラムの実用化に向けても貴重な情報を入手することが可能となった。
また、それらの活動を、アンケート調査結果として分析し、国際学会において発表することもでき、また学会参加を通し、PTSD分野の第一人者の研究者らとの意見交換もでき、国内外の研究者との交流の目的を達成することができた。
最終年度に向けた、地元のキーとなる研究者とのネットワークも着実に構築することができ、最終年度の活動の環境も整えることが出来た。
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| 今後の研究の推進方策 |
25年度、26年度の研究活動を通して得られたデータとネットワークをもとに、研修用、また支援者が長期的に支援に当たる際に活用できるガイドブックや、ケアのプログラム、研修の実際の進め方など、地元住民の養成に役立つ資料を作成し、その活用に向けての情報発信も行う予定である。
現地の支援者支援は、引き続き、研修という形で実施予定であり、二回目の研修では、参加者からより深い本音や情報を得ることができると期待している。その情報も、成果物に反映させる予定である。
研究のカウンターパートとして、岩手大学の山口教授、佐々木准教授、国立精神・神経医療研究センターの川野健治室長を迎え、チームとして最終年度の取り組みを効率よく実施する予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
効率的に執行のため
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| 次年度使用額の使用計画 |
残金を次年度に充てる
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