研究課題/領域番号 |
25516023
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 公益財団法人政治経済研究所 |
研究代表者 |
岩見 良太郎 公益財団法人政治経済研究所, その他部局等, 研究員 (50193769)
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研究分担者 |
小宮 昌平 公益財団法人政治経済研究所, その他部局等, 研究員 (00124280)
北村 浩 公益財団法人政治経済研究所, その他部局等, 研究員 (10414070)
山本 唯人 公益財団法人政治経済研究所, その他部局等, 研究員 (50414074)
合田 寛 公益財団法人政治経済研究所, その他部局等, 研究員 (90623182)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 液状化 / 埋め立て / 開発 |
研究概要 |
東京臨海部における液状化災害問題の俯瞰的把握と26年度の現地実態調査の準備に向け文献調査及び現地ヒアリング調査をおこなった。現地ヒアリング調査では調査地域を一部変更し、実施した。計画では、浦安市をメインに、市原市(石油タンク爆発関係)及び豊洲、都営辰巳団地、新木場港湾施設を訪れる予定であったが、後者3地区に代えて、鹿島、神栖、銚子の3市を選んだ。 理由は、浦安市の液状化対策事業について市民の合意がなかなか進まず、地域の中に外部者が調査に入りづらい雰囲気であったため、合意形成が進み、事業の着手に入っているこれらの地域について、なぜ合意がスムーズに進んだのかを調査することで、浦安市の合意の困難の原因を探り当てようとしたためである。調査は、いずれも液状化被災地の現地視察並びに行政と関係議員からの聴取というかたちをとった。 以上の調査結果については、本研究所のリサーチペーパーNo.22にまとめた(2014年5月28日発行)。 内容を目次構成で示せば、以下のとおりである。 第1章 石油コンビナートの液状化災害―〈災害場〉概念の導入とその適用(岩見良太郎)p. 5-21/第2章 液状化対策の現状と課題―浦安市の事例にみる(合田寛)p. 22-31/第3章 茨城県鹿嶋市の液状化災害-鹿島臨海工業地帯開発とその後のまちづくりとの関連を中心に(山本唯人)、p. 33-42/第4章 茨城県神栖市地域における液状化被害をめぐる諸問題―鹿島臨海工業地帯の開発の歴史を中心に(北村浩)、p. 43-52/第5章 潮来市の液状化被害について(市村昌利)p. 53-62
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
関連調査対象地域を一部計画変更したが、調査・研究そのものは計画どおり遂行できた。むしろ、関連調査対象地域を臨海部から内陸部まで広げたことによって、液状化問題は、大きく東京臨海部-後背地-内陸部を一つの全体として把握する視点に立つことによって、はじめて、正しく解明することができることを理解し得たことは大きな成果であった。 本年度の研究調査の目的は、26年度調査に向け、幅広い知見を獲得し、液状化災害の問題構造の輪郭を明らかにし、研究チームで共有することであったが、その目的は達成できた。 近く、25年度の調査研究成果をまとめたリサーチペーパー(2014年5月28日発行、6月公刊)を基に、公開研究会を開き、研究所内外の研究者、市民に研究成果を発表し、25年度調査の区切りとする予定である。
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今後の研究の推進方策 |
1.調査方法の変更:計画では、26年度:生活被害実態調査、町会被災対応実態調査、27年度:液状化対策事業への評価・対応調査を行う予定になっているが、26年度:これら3調査を一体的におこなうパイロット調査、27年度:本調査、に変更する。 2.変更理由:(1)25年度の調査で、個人及び町会の「液状化対策事業への評価・対応」の有り様は、個々人の「生活被害実態」と密接に関係しており、両者は一体的にとらえられなければならないことが判明した。(2)浦安市における液状化対策事業が予定より大幅におくれている。「液状化対策事業計画案」作成調査依頼については、現在5地区で合意形成をみているが、残り11地区については、本年6月末までに合意形成が目指されている。これを踏まえ、「液状化対策事業計画案」の作成調査が開始されるのは、27年度という状況にある。実態調査は、できるだけ事業が熟した段階でおこなうのが効果的であるという判断から、本格的総合調査を27年度に設定、26年度はその準備調査に当てたい。 3.26年度の研究スケジュール及び推進方策:7月にパイロット調査準備のための現地ヒアリング(行政、議員、自主的液状化対策事業計画案を策定した住民グループ)、10月パイロット予備調査、12月にパイロット本調査を実施する。これらの実地調査と平行して、これまで蓄積されている浦安液状化問題関連文献・データを解析し、パイロット調査の設計、パイロット調査結果の解析に生かす。
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