研究課題
ナタネの栽培期間は通常、10月頃に播種を行い、翌年5月上旬に開花、7月上旬に収穫、という流れになっている。平成24年度中に土壌サンプリング・ナタネ播種を実施した、南相馬市の圃場、ならびに仙台市の圃場において、25年度はナタネの成長ステージに応じて、①土壌中の垂直方向(深さ方向)での放射性セシウムの分布について、土壌肥料学・作物学の観点から検討を行った。(南條・齋藤)。②ナタネ植物体中の放射性セシウム動態の検討を行った(金山・西尾・北柴)。③転作体系確立のための条件抽出(北柴・西尾・中井・大村)。水田の転作にあたっては、転作期間終了後、速やかに水稲栽培に移行できる体系が必要となる。また、補助金の有無によらず、収穫回数は収入の回数でもあることから、3年3作・4年4作のように、最低限年1回以上相応の収穫が得られる体系を構築しなければならない。25年度中は、農家等にヒアリングを行うとともに、ジーンバンクが保有する既存のアブラナ科作物系統の中から好適な品種の候補を選定する作業を実施した。④生花・加工花(プリザーブドフラワー)の保存条件に関する検討(大村)。とくに加工花の製造に関する技術を企業等と共同で開発し、試験販売に至った。27年度は、汚染レベルの異なる3地点での栽培によって得られた土壌および植物体の放射性Csの動態についてのデータ解析を進め、仮題“Radiocesium distribution in Brassica napus grown in contaminated soils”として投稿準備を終えた。また、汚染地でのストレス下での栽培に関連して、菜の花をはじめ種々の園芸作物に利用可能な知見を得るため、モデル園芸作物であるトマトにおいて研究を展開し、ストレス耐性遺伝子についての知見を得ることができた。
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Journal of Eukaryotic Microbiology
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