研究課題/領域番号 |
25518017
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 公益財団法人未来工学研究所 |
研究代表者 |
白川 展之 公益財団法人未来工学研究所, その他部局等, 連携研究員 (20556071)
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研究分担者 |
伊関 友伸 城西大学, 経営学部, 教授 (20383169)
玉村 雅敏 慶應義塾大学, 総合政策学部, 准教授 (40327177)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 評価 / 研究評価 / 社会的投資収益率 / 地域医療 / 大学病院 / 公共経営 / 計量書誌学 / 国立大学法人 |
研究概要 |
本研究では、科学技術にまつわる公共サービスを結合生産する主体が直面する社会的ジレンマについて定量化する研究をめざしている。その代表例として、地域医療の提供、医師の育成・教育、臨床・基礎医学の研究を同時並行で行う大学付属病院を題材に、分析フレームワークを構築していくこととしている。このため、地域医療、公会計、高等教育論、政策評価、行政経営、計量書誌学などの融合型の研究チームを組織して、研究を開始した。 研究初年度の当該年度においては、歴史的視座に基づく地域医療の構造分析と、社会的投資収益率に関して科学技術の評価・分析に適用するため、ステークホルダー分析に基づく社会的価値の概算積算モデルに関して、分析フレームワークの検討作業を行った。併せて、今後の研究のベンチマークとして諸外国における科学技術の公的投資に関するインパクト測定の評価システムの構築状況についても調査を行い、研究の方向性の妥当性に関する検証を行った。 この結果、明治期にさかのぼる我が国の地域医療に関する概説を通時的に論述した書籍の刊行に向け翌年度における出版に一定のめどを付けるととともに、科学技術の社会的インパクト測定のフレームワーク開発を進捗させることができた。さらに、諸外国の動向から、それに付随する情報システムの要件について、最新動向から洗い出すことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者が、所属研究機関を変更したことに伴い、一定期間(6ヶ月)程度予算の執行が実質的に困難であったため、初期に予定していた現地調査・ヒアリング等の開催が困難になっていた。 このため、分担研究者との連携により、科学技術に関する分析フレームワークの構築と地域医療の歴史的経緯を踏まえた構造分析に関しては想定以上の進捗させることができた。しかし、大学病院に関する実体的な調査による妥当性の検証が若干遅れぎみになっている。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度においては、特定の地域を事例に地域比較・実証を行うこととしている。このため、研究協力者や連携研究者のネットワークや関連プロジェクト等との連携を強めていくことで、実証地域の選定を行う。 さらに、昨年度の研究計画で実施することとしていた、価値の積算モデルの完成に向けて、あらためて、理論的な研究を進化させる計画に修正する。このため、科学技術振興機構で実施している「科学技術・イノベーション政策のための「政策のための科学」推進事業」や文部科学省科学技術・学術政策研究所との連携のもとで、社会的投資収益率に関する専門書籍の刊行等のとりくみを行っていくこととし、研究を計画以上に加速させることとしている。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究代表者が、機関異動に伴い、研究経費の執行ができない期間が年度内に概ね4ヶ月以上生じたため、研究代表者の執行額が大幅に進捗率が低下したため、差額が生じたものである。 当初予定していた海外における学会発表を行うことが、翌年度に変更して確定していることから、概ね予定どおりの執行が翌年度以降可能になる見込みである。また、調査のうち、計量書誌分析部分に関しては、別途データ処理を急遽委託することにより、研究を加速させていくこととしている。
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