研究課題
本年度はコアHaskellのモデルの一つとして代数理論から操作的意味論の抽出のために、代数理論と書換え系を研究した。特にHaskellのグラフ簡約のメカニズムのモデル化のために、グラフ構造の代数化を行った。BloomとEsikによるイテレーション理論を援用し、グラフ間の等式による完全な公理化と、トレース圏を含むようなイテレーション圏を用いた圏論的意味論を与えた。これによりグラフ構成子を圏論的構成として理解することが可能となった。結果としてグラフの等価性に対する健全かつ完全な等式論理を得ることに成功した。さらに計算効果の代数的モデルとして、モナドの研究として、余稠密モナドの概念を使い、ファイブレーションの基礎圏から全域圏へのモナドの持ち上げの結果を得た。これは従来の圏論的TT-リフティングではカバーできない例を含むため、Hakellのモナド型のための述語のモデル化への応用が期待できる。また、Haksellの計算モデルの一つとして有望である高階書換え系のチュートリアルの講師をドイツでの国際サマースクール ISR 2015 にて行い、国際的な研究者、学生に書換えモデルの有用性と理論を教授した。さらに日本ソフトウェア科学会 第18回プログラミングおよびプログラミング言語ワークショップにおいて、Haskellを代表とする関数型プログラミング言語と書換え系の関係についてのチュートリアル行い、好評を博した。これは、PPL 2016発表賞を受賞した。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
Foundations of Software Science and Computation Structures (FoSSaCS 2016)
巻: LNCS 9634 ページ: pp. 513-530
10.1007/978-3-662-49630-5_30
Electronic Proceedings in Theoretical Computer Science
巻: 191 ページ: pp. 75-89
10.4204/EPTCS.191.8
Algebra and Coalgebra in Computer Science (CALCO 2015)
巻: LIPIcs 35 ページ: pp. 156-170
10.4230/LIPIcs.CALCO.2015.156
http://www.cs.gunma-u.ac.jp/~hamana/