古典的存在証明からの計算的意味の抽出について、未解決問題を含む決定問題の難問に対する証明構造のケーススタディを行った。「右線形かつ強無曖昧な項書換え系は合流性を持つ」(RTA open problem 58) は、可算選択公理を用いた停止順序の存在は証明できるが、具体的な順序の構成が困難なため未解決問題である。順序の構成条件の精査と、有限リダクショングラフによる構成的証明に基づき、二つの異なる新たな部分クラスに対し、肯定的結果を得た。また、最近、散見される決定問題の難問に対する二つのyes/noをそれぞれ決定する準アルゴリズムを並行させる証明手法について、一般化の考察を進めた。
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