研究課題/領域番号 |
25540011
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
狩野 裕 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (20201436)
|
研究分担者 |
岩崎 学 成蹊大学, 理工学部, 教授 (40255948)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | NMAR missing / 補助変数 / 代替特性 / 大量欠損 / APB |
研究実績の概要 |
1.欠損原因がユニットごとに異なる状況における統計的推測を発展させた.本研究成果を平成26年7月に台湾で開催された国際会議 IMS-APRM2014 において口頭発表した. 2.経時観測データにおいてエンドポイントに欠損がある場合,その代替特性を観測することがある.代替特性導入の有効性についての理論研究を進め,数値実験により結果を補強した.本研究成果を平成26年9月に東京大学で開催された統計関連学会連合大会(口頭)および,平成26年11月に京都で開催された国際会議 Kyoto International Conference on Modern Statistics in the 21st Century(ポスター) において発表した. 3.二値の結果変数をもつ経時測定データにおける欠損値問題(ドロップアウト)の識別性の数学的構造を明らかにし,識別可能で且つ現実的な統計モデルを複数提案した.この理論結果を実際のデータの解析に応用した.本研究成果を平成26年11月にマレーシアで開催された国際会議 ISI Regional Statistics Conference 2014において口頭発表した. 4. 欠損率が90%を超える大量の欠損値を含むデータを因子分析するための新しい方法論を提案し実証した論文が査読を経て学術雑誌Journal of Statistical Computation and Simulationに採択された.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り進行している.
|
今後の研究の推進方策 |
1.今年度までに発展させられたApproximate Population Biasを応用し,欠測メカニズムや補助変数法など理論的な性質を研究し,欠測データ解析の理論を進歩させる. 2. 平成26年度までの理論研究を継続する.特に,欠測指標Rを(0,1)-分布から(0,1) 上の連続分布へと拡張する.対応する観測変数に重み を導入する. 3. ロバスト推定法の開発.前年度に発展させられた理論の重要な応用はロバスト推定である.たとえば,あるYij を外れ値と判断す る場合Rij = 0,そうでない場合Rij = 1 と定義し,外れ値はサンプルから除去することを考える.外れ値がYij によって明示的に定 義されていれば,(Y;R) の同時分布が導出でき,欠損値データの最尤法が実行できる.この方法の第一のメリットはロバスト推定と観 測変数Y のモデリングが独立に行えることである.二つ目は,各データポイント(1 次元) ごとに外れ値の判定ができることである. もちろん,通常のように各オブザベーション(ユニット) ごとに外れ値判定をすることもできる. 4. 研究成果の公表.統計関連学会連合大会を始めとする国内外の学会大会やシンポジウムにおいて研究成果の実績報告を行う.
|
次年度使用額が生じた理由 |
本務校の業務により,当初予定していた国際会議での研究発表を中止したため,旅費等に残が出た.
|
次年度使用額の使用計画 |
前年度キャンセルした研究発表を次年度,別の会議であるが,発表する予定である.
|