研究実績の概要 |
1.麻生英樹氏(産業技術総合研究所研究員)を招へいし大阪大学にて小規模講演会を開催した. 2.統計関連学会連合大会や統計サマーセミナー等において欠測値データ解析に関する研究成果を発表した.国際会議(JSM, Seattle; ISCB, Utrecht; EAR-BC2015, Fukuoka; AMBN, Yokohama; IASC-ARS2015, Singapore)において欠測値データ解析に関する研究成果を発表した. 3.欠測がNMARのとき,欠測メカニズムを用いない尤度に基づく最尤推定量のバイアスの公式を明示的に導出し,それが減少するための数学的条件を提出した.臨床統計においてエンドポイントのデータが得られないとき(欠測)しばしば代替特性が用いられる.代替特性を補助変数とした最尤法のバイアスを評価することに成功し,バイアスが減少するための十分条件を提出した. 4.欠測がNMARのとき,逆回帰のアイデアに基づく最尤法において,共変量の分布をノンパラメトリックに推定する新たな推定方法を提案し,対応する推定量(MLE)の漸近的性質を検討した.統計的に望ましい性質であるMLEの一致性と漸近正規性を証明した. 5.脱落は欠測の代表例である.脱落の伴う経時カテゴリーデータに対する多重代入法の有効性を数値的に検討した. 6.統計的因果推論は欠測値問題の応用分野である.統計的因果推論における傾向スコアマッチング後の個体差の評価方法を提案した.
|