医薬分子の設計は、約10~60個の化合物からなる広大な化合物空間から新薬候補分子を発掘する作業である。研究の目的は、ベイズ統計および機械学習を基盤とする分子設計手法の開発である。(1)実験データを活用して化学構造から性質(物性や薬理活性)のフォーワード予測モデルを構築し、(2)フォーワードモデルをベイズ則で反転し、性質から構造のバックワード予測(事後分布)を導く。事後分布から化学構造を生成し、目的の性質を有する埋蔵分子を発掘する。データサイエンスの発想に基づく新たな分子設計手法を開発し、医薬品化合物の分子設計に適用して、その潜在的有用性を実証した。
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