研究成果の概要 |
本研究の目的は,日本の社会調査の標本設計における層化基準を再考し,標準的な全国規模の社会調査設計の際の層化方式に関する新しい指針を提案することである。従来は地方と人口規模に応じて市区町村を層別することが多かったが,本研究では調査の主要な目的変数の性格に応じ,公的統計資料など外部の変数に依拠して適切な層化変数を選定し,実際の層化を実務的観点から効率よく行うためのシステムの開発を目指した。目的変数によっては教育水準など人口規模以外の変数がより有力な層化要因となる場合もあるが,従来の層化基準は, より多くの変数に対して平均的に有効であるという意味で役に立つ変数であることが, 改めて示唆された。
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