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2014 年度 実施状況報告書

音楽の進化心理学:事象関連電位研究

研究課題

研究課題/領域番号 25540052
研究機関新潟大学

研究代表者

伊藤 浩介  新潟大学, 脳研究所, 助教 (30345516)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード音楽 / 進化 / 脳 / 聴覚事象関連電位
研究実績の概要

言語や他の高次脳機能と異なり、明らかな適応的意義の見当たらない音楽は、なぜどのように進化したのだろか。本研究は、従来この研究領域において広く用いられてきた行動指標の代わりに、事象関連電位を用いることによって音楽の系統発生を探る、新しい試みである。すなわち、和音やメロディーを始めとする様々な音楽刺激に対する事象関連電位をヒトを含む様々な霊長類で種間比較する事により、これらの聴覚刺激の脳処理の進化を明らかにする事を目的とする。
3年実験計画の2年目にあたる本年度は、無麻酔のアカゲザルの頭皮上から、最大で21チャンネルの脳波を無侵襲で記録するための方法論を独自に確立した。そのうえで、アカゲザル3頭を対象とした実験で聴覚事象関連電位の外因性皮質成分(mP1, mN1, mP2, mN2, mSP)を世界で初めて同定して命名した(英文査読誌投稿中)。
さらに、1~2頭のアカゲザルを対象とした予備的実験をいくつか行い、純音や和音刺激の提示条件(主にstimulus onset asynchrony)を変える事による聴覚事象関連電位成分の振幅の変化を評価し、ヒトとの違いに着目して解析した。結果、ヒトとマカクザルでは、聴覚処理の時間幅が(temporal window of integration)が大きく異なる事が、明らかになってきた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

世界的にも前例がほとんどない試みであったにも関わらず、予期された技術的な問題は全てクリアされ、実施する全ての実験で確実に成果が得られている。

今後の研究の推進方策

平成25-26年度の研究により、マカクザルにおける無麻酔・無侵襲での頭皮上脳波記録の方法論が、完全に確立された。平成27年度は、前年度までに行ってきたマカクザル事象関連電位実験の対象個体数を増やして結果の再現性を確認したうえで、成果としてまとめる。また、次へつながる新しい試みとして、マーモセットを対象とした無麻酔・無侵襲の頭皮上脳波記録の方法論の開発に取り組む。

次年度使用額が生じた理由

実験装置の作成や環境の整備が、想定よりも少ない予算で完了した。

次年度使用額の使用計画

マーモセットを対象とした、新しい実験のための装置の作成や環境の整備に利用する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 音楽の神経基盤2015

    • 著者名/発表者名
      伊藤浩介、中田力
    • 雑誌名

      Clinical Neuroscience

      巻: 未定 ページ: 未定

  • [学会発表] 覚醒サルにおける頭皮上聴覚誘発電位の無侵襲記録2015

    • 著者名/発表者名
      伊藤浩介、禰占雅史、鴻池菜保、中田力、中村克樹
    • 学会等名
      生理学研究所-新潟大学脳研究所 合同シンポジウム
    • 発表場所
      新潟市
    • 年月日
      2015-03-04 – 2015-03-05
  • [学会発表] 絶対音感保持者における聴覚誘発電位T-complexの左右差2014

    • 著者名/発表者名
      松田将門、伊藤浩介
    • 学会等名
      第44回日本臨床神経生理学会学術大会
    • 発表場所
      福岡市
    • 年月日
      2014-11-19 – 2014-11-21

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公開日: 2016-06-03  

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