最終年度である本年の成果は大きく2つにまとめられる。 (1)マククザルを対象とした実験では、前年度までに行ってきた各実験につき、対象個体数を増やすことによって、結果の信頼性を向上させた。従来の文献では、通常2頭程度のみからしか記録をしていない。しかし、本研究を通じて、サルの事象関連電位にも、ヒト事象関連電位と同程度の個体差があることが分かった。そこで、本研究では各実験につき4-6頭の標本数を確保した。結果は海外や国内の学会で発表し、論文にまとめている。 (2)マーモセットを対象とした実験では、頭皮上からの無侵襲の聴覚誘発電位の記録に、世界で初めて成功した。電極や保定法を工夫するなどして、2頭から記録を行い、結果の再現性を確認した。
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