研究実績の概要 |
主観的時間および主観的効用を求める行動実験を被験者20名に対して実施した。主観的効用に関しては、経済学で用いられているCertainly Equivalents (CEs) procedure (Martin, et. al., 2006) を用いて, 被験者の主観的効用関数のパラメータを求めた。また主観的時間に関しては、時間的展望の個人差を測定する尺度であるZimbardo Time Perspective Inventory(ZTPI)の日本語版を用いて測定した。また同時に個人属性を特徴付ける指標として、 BIS-11、BDI-Ⅱ、STAI-Y 1、STAI-Y 2等の臨床評価尺度を測定した。また同じ20名を対象に、時間割引課題実行中の脳活動を測定した。
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今後の研究の推進方策 |
意思決定時の脳活動から, ①意思決定時の主観的時間による待ち時間の表現, ②意思決定時および報酬獲得時における主観的効用による報酬の表現, ③意思決定時の時間選好モデルによる割引価値の表現, ④報酬獲得時における割引価値による予測誤差の表現に関して, 推定した各時系列と脳活動との相関を調べる. 脳活動ともっとも相関の高い時間選好モデルと, 行動レベルで最も相関の高い時間選好モデルが対応しているかを評価する. それにより, 行動と脳活動の対応関係を求め, 最終的に最も行動を説明し, かつ脳機能のシステムとして実装されている可能性が高いモデルを提唱する.
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