研究課題/領域番号 |
25540058
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
北澤 茂 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (00251231)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 天才の脳 / DTI法 / コネクトーム / 機能的結合 / 多次元尺度法 |
研究実績の概要 |
人並み外れた才能は脳のどこに宿るのだろうか。アインシュタインが遺贈した脳は、シルビウス裂の上行部が前方に移動し中心溝と一致していた。これは、縁上回の後方部の下部頭頂葉が両側性に極端な発達を遂げていたためである。皮質機能局在論の立場に立てば、左右どちらかの下部後頭葉に天才が宿った可能性がある一方、発達した頭頂葉の両側を結ぶ脳梁や、前後を結ぶ弓状束など、情報の伝送経路を含めたネットワーク構造にこそ天才を説明する理由が隠されていたあ可能性もある。本研究は、特殊な才能を持つ天才の脳の構造画像と機能画像を撮像し多数の対照群と比較することによって、天才の脳の特徴を明らかにすることを目的とする。 本年度は拡散テンソル画像(DTI)法の撮像パラメータと、大脳皮質の基本的な機能構築を描画するための課題(視覚課題と言語課題)を決定し、8名の対象群被験者からデータを取得して解析した。言語の機能構築の側性化と相関するパラメータを検討した結果、角回とウェルニケ野のRD (radial diffusitivity)値とdegree(次数)と側性化の間に有意な相関があることが見出された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
国際的なデータベースのデータを対照群とする予定であったが、使用できるMRIの装置ではデータベースと同様のパラメータでは撮像できないことが判明した。そのため、対照群のデータ数が当初の予定数に達していない。この点については、他のグループと撮像パラメータを統一することで、来年度中にキャッチアップする予定である。
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今後の研究の推進方策 |
1)データベースと同じパラメータを使えないという問題に関しては、他の研究グループと撮像パラメータを統一することで対照群のサンプル数を確保する。 2) 数学に関与領域を描出するために開発済みの課題をさらに改良し、数学領域の天才に絞って参加の依頼を行いデータを取得、解析して対照群と比較する。
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次年度使用額が生じた理由 |
対象群データを取得するための機器使用料として用いる予定だったが、MRI装置の使用希望が多く希望する時間数を確保することができなかったために差額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度に撮像を行う際の機器使用料として使用する。
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