人並み外れた才能は脳のどこに宿るのだろうか。アインシュタインやガウスの脳は、下部頭頂葉が極端な発達を遂げていた。本研究では、構造画像と機能画像の多次元データを解析して対照群と比較することによって、天才の脳の特徴を明らかにすることを目的として研究を行った。その結果、画像データベースと実際に撮像したデータを用いた予備的解析で、多次元データを用いた群間比較法が有効に機能することが確かめられた。さらに、数学の天才が宿る可能性のある領域を探るために、素数判断課題を開発して脳の機能画像と構造画像を検討した結果、右半球の島皮質の最前部の腹側と頭頂間溝外側部を結ぶネットワークが候補として浮かび上がった。
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