本研究では,プログラミングの問題文読解とプログラム産出を対象とし,推敲による問題解決プロセスを検証した。実験協力者は,プログラミングの問題文を読解し,解答となるプログラムを生成した。分析に際しては,協力者をプログラミング上級者と初心者に分けた。眼球運動を分析した結果,プログラムの産出においては,上級者のほうが視線移動の距離と時間が長かった。このことから,上級者は初心者よりも一度に見ている語句が多く,ゆっくり読むことで頭の中で組み立てたプログラムを確認しながら書き進めていることが示された。一方初心者では,ひとつひとつの語句に注目し,書けるところからランダムにプログラムを書く方略が示された。
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