研究概要 |
本年度は以下の項目について研究を実施した. 【マルチモーダル多視点画像の生成方式】多視点画像の表示形式として,バックボーン,リボン,ロケット,スティックの4種類の各特性と識別性能を調べた.また多視点画像から抽出した位置不変特徴(HLAC, LBP-u2,LBP-ri,LBP-riu2,RIC-LBP)の有効性について評価を行い,位置と回転の両方に対する不変性を有するRIC-LBP特徴が特に有効であることを確認した. 【多視点の選択法】3つの回転主軸を基準として,タンパク質を一定角度ステップで回転させて多視点画像を生成する方法と,視点をランダムに変化させて生成する方法の有効性を比較した.視点数が多くなるにつれて,ランダム生成の方が高い性能が得られる傾向を確認できた. 【マルチモーダル構造類似度の有効性】代表的な立体構造データベースSCOPからランダムに抽出したタンパク質セット(700個=各クラス100個×7クラス)を用いて,構造の違いによる7タイプ(α型,β型,α/β型,α+β型など)の識別実験を行った.その結果,代表的な従来法であるCE特徴を用いた方法では識別率が50%だったのに対して,マルチモーダル構造類似度を用いた提案法では61%と,識別性能を大きく改善することが出来た. 【アンサンブル識別】タイプの異なる特徴量による識別器を複数用意して,それらが出力する類似度の重み和を用いた識別法の有効性を評価した.単一の識別器よりも,様々な情報を反映した複数の識別器を組み合わせる方が,より高い識別性能を実現できることを確認した.
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