研究実績の概要 |
本年度は以下の項目について研究を実施した. 【マルチモーダル構造類似度の性能向上】部分空間セットに対して,相互部分空間(MSM)の替わりに,判別性能が格段に優れているグラスマン判別分析(GDA)を適用することで,構造類似度の判別能力を大きく向上させた. 【構造類似度の有効性検証】Astralデータベースから,アミノ酸列一致が20%以下の700個のタンパク質をランダム選択することで評価データセットを構築した.これを用いて,現在標準的に使われているアライメントベースの方法(CE+RMSD,CE+Z-score, FATCAT, TM-align+TM-score)との性能比較を行った.その結果, MSMに基づく前年度方式:60.86%, CEwith RMSD:33.86%, CE with Z-score:49.14% ,FATCAT with raw score:53.14%, TM-align with TM-score:64%に対して,改良方式の識別性能は69.43%となり,GDA導入の有効性を確認した. 【構造類似度計算サーバーの構築】上記アルゴリズムを実装した計算機サーバー(View-based Protein Comparison (VPC) system)を構築した.本サーバーは,ユーザが比較したい2つの3次元タンパク質をネット経由で指定すると,両者の3次元構造類似度を上記アルゴリズムで計算し,ユーザにフィードバックする. 【研究成果の発表】研究成果をまとめた論文(2本)を英文ジャーナルへ投稿し,判定待ちである.
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