本研究では、工学系で広く利用されているフーリエ変換(FFT)に比べ、10万~100億倍以上の精度の向上が見込まれるNHA(Non Harmonic Analysis: 申請者が考案した非周期信号のフーリエ変換式への最小二乗法の適用に基づく周波数分析法)を用いて、低磁場でもMRIで鮮明な断層撮影を実現するソフトウェア解析技術を開発を行った。 特に、MRI解析に応用するために、NHAの2次元化と不等間隔サンプリングに対応するための基礎的な検討と仮想的な計算機シミュレーションデータを用いて検証実験を行った。 一般にMRIでは内部で2次元FFTが利用されているが、これをNHAに置き換えることの可能性について検討する。まず、既存の内部仕様とそのノイズ混入要因を体系化し、計測時間と実際のノイズレベルの関係を複数計測し、コンピュータシミュレーションのためのノイズモデルの見積もりを行った。この際、NHAを利用する際の精度限界も予想できるため、NHAを利用する際の各種パラメータや計測データ数など環境条件を検討した。また、MRIなど大量のデータを効率よく計算するための、MRI組み込み型GPU計算システムを設計を行った。
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