研究課題/領域番号 |
25540069
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
寒川 雅之 新潟大学, 自然科学系, 助教 (70403128)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 触覚センサ / 近接センサ / マルチモーダル計測 / インピーダンス |
研究概要 |
本年度は(1)電気インピーダンスの周波数特性測定と等価回路分析と(2)物体接近による電場変化解析と検知手法の検討について研究を進めた。 まず、(1)では物体近接による触覚センサの電気インピーダンス変化の物理的原理を明らかにするため、その周波数特性をLCRメータを用いて測定し、Cole-Coleプロットにより等価回路分析したところ、直列抵抗に静電容量が並列に接続されたRC並列回路となっていることがわかった。また、光強度を変化させて測定したところ、100kHz以上の周波数のインピーダンスで光強度に対する依存性が顕著となった。また、周波数が高いほどその変化は大きくなった。以上のことから、高周波では基板のSiと配線の間の静電容量が無視できなくなり、Siの光導電効果による導電率および空乏層静電容量の変化により全体のインピーダンスが変化しているものと考えられる。 (2)では、(1)の結果より、インピーダンス変化が主に物体近接による入射光の変化によるものと分かったので、電場変化の解析の代わりに、Si中の光キャリアの発生とそれによる導電率、空乏層容量変化について理論的に解析し、光源との距離が10~100mmでそれらの変化が大きくなり、高感度となることが明らかとなった。次に、センサ近傍に小型チップLEDを設置し、それをプローブ光とし対象物からの反射光による変化を検知する検知手法を検討した。この測定系に対象物としてPTFE板を接近させると、対象物との距離に依存してインピーダンスが変化し、その変化は理論解析から予測される10~100mmの距離で大きく、もっとも高感度な領域で1mmあたり0.5%のインピーダンス変化(1MHz)が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
25年度に予定していた研究項目については概ね順調に行うことができ、結果としてセンサの等価回路解析と理論的検討からおおよその検知原理を解明でき、また検知手法についてもある程度確立できた。
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今後の研究の推進方策 |
センサの検知原理について解明が進んだので、その結果に基づき、近接覚・触覚一体型センサの設計と試作を行う。また、光による検知は対象物との距離が極近い状態では感度が小さいので、例えば対象物接近による電界分布の変化による静電容量変化を解析し、それによる変化を同時に検知することで感度の改善を図る。
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