研究課題/領域番号 |
25540073
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
野崎 剛一 長崎大学, 情報メディア基盤センター, 教授 (00124834)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 鶏の有精卵 / 雌雄識別 / デジタル画像処理 |
研究概要 |
鶏卵の有精卵をカメラで撮像してデジタル画像処理を行った。このデータ計測、分析は、学生2名とシニアエンジニア1名に実験協力を得て実施し、輪郭抽出、頂点の検出アルゴリズムの検討を繰り返し、計測時の卵のバランス調整を行った。 有精卵を360°回転して計測して得られるデータとこれまでの計測データから算出したデータを分析して雌雄判別手法の検討を継続中である。 輪郭画像データから得られる各種パラメータ抽出は使用しているパソコンの性能に左右される。処理の高速化については、アルゴリズムの検討とデータ処理に使用しているMATLABのmファイルプログラムからc言語への変換が必要と思われる。 卵を長軸を基準にして右に360°回転させて撮影し、その画像から抽出した輪郭と歪みの検討を行った。卵の頂点を正しく検出すると、卵の中心から54°の位置で歪みがゼロになる。この位置をバランス点とし、バランス点よる頭部のゾーン、尾部のゾーンおよび頭部頂点から尾部頂点までのゾーンを定義して分析すると、長軸を基準にすると撮影角度で短径の傾きと歪みの大きさと方向が変化する。歪みと傾きの変化パターンは雌雄で逆になっていることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに行った鑑定実験データ中10数個の卵の特性解析を行うと、極めて安定な雌雄識別ができるようであり、現在の技術レベルは、以下の通りである。 ・種卵は産まれてくるときの回転方向により、雌雄で逆になっていると考えられ、回転方向を画像処理により検出する手順を考案した。 ・これまでに採卵した卵の雌雄特性が一致し、この雌雄特性は、過去の実測データとも一致が見られる。 ・45°間隔で配置した3台のカメラによる三次元計測システムで、自動鑑定を考案中。 ・2個の雌雄の卵を360°どのような角度で撮影しても雌雄の特性が逆になるアルゴリズムを考案した。
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今後の研究の推進方策 |
卵置き台と頂点を超精密に計測することを目的とした卵の立体歪計測装置については、卵置き台の工夫を考案し、立体計測として3台のカメラの配置を考案する。種卵を立体的に観察するために、仮想カメラを配置して計測するシステムを検討し、このことを過去2年間の3面撮影の卵群に適用して分析を行う。 卵の回転方向の検出に必要な立体的な情報(卵の傾き、歪み方向、位相差)を論理的に組み合わせることで、雌雄識別装置の実用化に向けたアプローチを行う。
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