研究課題/領域番号 |
25540088
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
齊藤 剛史 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (10379654)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | ヒューマンインタフェース / 発話障害者 / サイレント音声インタフェース |
研究概要 |
本研究課題では、口頭摘出などにより音声を発声できない発話障害者の直面している音声コミュニケーションが難しい問題を解決する新しいインタフェースとして、口唇の2次元的な動きを高精度に計測するマスク型デバイスLip motion sensing mask(LIMOSK)の開発およびLIMOSKを活用したサイレント音声インタフェースの開発を目的としている。 本研究初年度の平成25年度は以下のことに取り組んだ。 最初に、口唇の動きを計測するためのセンシング手法を確立するため、磁石と磁気センサ(ホールIC)の特性計測実験を実施した。磁石および磁気センサに個体間の差はあるもののおおよそ同じ特性であることを確認した。磁石-磁気センサ間距離と磁気センサの出力値より磁気センサのモデルを構築した。構築したモデルにより磁気センサの出力値より磁石距離の推定が可能となった。 次に、32個の磁気センサをアレイ状(4個×8個)に配置し、また高速多チャンネルAD変換器を用いて、複数磁気センサの出力値を同期して計測する回路(LIMOSKのプロトタイプ)を製作した。さらに磁石の動きから磁気センサの出力値の変化を可視化するツールを開発した。開発ツールを用いて磁気センサの出力変化から磁石の位置を推定する問題に取り組んだが、計測誤差が含まれているため、正確な磁石位置推定には至っていない。 また第1段階審査委員から指摘を受けた人権保護の対策として、本学の倫理委員会にかけて承認を得ている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
交付申請書に記載した平成25年度の研究実施計画では、磁石および磁気センサの最適パターンの導出を計画していた。しかしながら、正確な磁石位置推定を達成しておらず、そのため磁石および磁気センサの最適パターンの導出に取り組めていない。一方、研究実施計画で掲げた計測回路の製作やLIMOSKのプロトタイプの開発など計画通りに達成されている項目もあり、自己評価を「(3)やや遅れている」とする。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究2年度の平成26年度、最初に取り組むことは、初年度に達成できていない正確な磁石位置推定を達成する。その後、磁石および磁気センサの最適配置パターンの導出、LIMOSKより計測された口唇動作を入力とした認識手法および評価実験の実施を取り組む。
|