研究課題/領域番号 |
25540093
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
吉田 健一 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 教授 (40344858)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | データマイニング / メモリ管理 / Big Data |
研究実績の概要 |
研究担当者はこれまでSPAM filter, P2Pソフト検出技術、違法コピービデオ検出技術と、大規模なオンラインデータの解析技術を研究してきた。研究中に高速で大規模なデータを効率良く処理するためのキャッシュメモリ管理技術を開発してきたが、キャッシュメモリに記憶された部分データを使ったデータ分析の精度研究は不充分であった。また、昨今Big Dataの応用が注目されているが、メモリ管理とデータの分析精度の関係の研究は充分行われているとは言えなかった。 そこで、本研究では、1)メモリ管理技法とメモリ管理性能の関係、2)メモリ管理性能と各種データ分析精度の関係、の2つを明らかにし、3) 効率の良いデータ分析手法を開発している。 H25年度は上記研究背景、目的のもと、メモリ管理性能の解析手法を提案し、実装方法について研究発表を行った。具体的には、提案者がこれまでSPAMfilter, P2Pソフト検出技術、違法コピービデオ検出技術の研究の過程で開発してきたHash2メモリ管理方式の1) メモリ管理性能の分析、2) データマイニングに利用した場合のマイニング性能との関係分析、を行い、実際に稼動しているプログラムのメモリ管理性能の実時間解析手法を提案した。 H26年度は上記研究結果の応用について検討し、近年ネットワーク上のBig Dataの分布として良く表れる羃則にのっとったデータの例としてインターネットのパケット分析について検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H25年度は当初の研究計画に従い、メモリ管理性能の解析手法を提案し、実装方法について研究発表を行った。既存研究で開発してきたメモリ管理手法は、Big Dataの処理に向いた性能を持っている事が実験的に確かめられていたが、実効中のプログラムのメモリ管理性能を計測できる技術はなかった。このためマイニング性能とメモリ管理性能の関連の解析が困難であったが、H25年度の成果により解析の目処がたった。 メモリ管理性能の関連の解析が可能となった事で各種応用が可能となってきた。H26年度はその1例としてインターネットのパケット分析への応用について検討した。 従って、計画は順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
メモリ管理性能の評価は重要なテーマであり、理論的評価と実計測技術の両面からの検討を行った。実計測技術が考案できた事で応用面からの可能性が明確になってきた。H27年度は本萌芽の最終年度であり、成果を基盤研究に繋げるためにも、応用面の検討にも注力する。
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次年度使用額が生じた理由 |
期末に海外発表を1件予定していた(予算約30万)が、取り止めとなり、その分の予算が繰越となった。
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次年度使用額の使用計画 |
上記発表はH27年度中に発表予定であり、繰越予算はそのために使用する予定である。
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