研究課題/領域番号 |
25540102
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
河原 吉伸 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (00514796)
|
研究分担者 |
山際 伸一 筑波大学, システム情報工学研究科(系), 准教授 (10574725)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 機械学習 / 組み込みシステム / 組合せ最適化 |
研究概要 |
本研究は,組込みシステムなどリソースが限られたハードウェア上でも性能を実現できる機械学習アルゴリズムの構築とその実用性検証を目的とするものである.この目的の下,まず離散凸解析に基づいた整数パラメータによる正則化学習アルゴリズムの構築を行い,その後,得られた枠組みをハードウェア(FPGA)を用いて実験的に検証する. 本年度は,主にその基礎となる整数パラメータ上での正則化学習アルゴリズムについて検討を行い,いくつかの異なるアプローチについて定性的な比較を進めた.今回必要となるアルゴリズム的な技術要素として,新しく理論的に検討する必要のある部分と,既存の技術を直接用いることができる部分との明確な線引きが得られ,今後は理論的な検討が必要となる部分の詳細をつめていく必要がある.その後は,各要素を計算機上に実装し,シミュレーションによるシステム全体としての性能の比較を進める必要がある. また一方で,連携研究者とともに最終的に得られるであろうシステムの構成についての議論を行った.想定されるシステムはいくつかの構成要素から得られるため,その全体的な構成についての,ソフトウェア,およびハードウェア両観点からの合意に基づいた大枠が現時点で得られている.そのように,上記のシミュレーションによる検証がめどがつき次第,実際のハードウェア上での実装を進めるための準備が整えられた.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画においては,初年度において,整数パラメータ上での正則化学習アルゴリズムを導出するとともに,その理論的性質(計算量や推定性能など)に関する検証を一定の範囲で終了している予定であった.しかし現状において,検討は進んでいるものの,当初想定していた範囲での終了には至っていない.その主な理由としては,同問題における理論的検討において,当初は予想していなかった理論的問題がいくつか浮上してきた事が挙げられる.この問題についての議論も進んでおり,解決のめどはたってはいる. 一方で,連携研究者とのシステムに関する議論は進んでおり,理論的検討とアルゴリズム導出が終わり次第,ハードウェア上で実験的検証を行うための準備については,既にほぼ整ってきており,その点は当初予定よりも進んでいる.
|
今後の研究の推進方策 |
今後はまず,当初計画において初年度に一定範囲での終了を予定していた整数パラメータ上での正則化学習アルゴリズムの理論的検証に関して,新たに発覚した課題の解決とともに,まず当初予定していた範囲での終了を行える段階まで研究を進める必要がある. その後は当初計画通り,得られた枠組みを重要な特殊ケース(応用範囲が広く精度が高いと認知されている機械学習アルゴリズム)に関して適用する事で,各々のアルゴリズム導出と特性に関しての確認を進める.またこれに関して,得られたものから計算機上でのシミュレーションによる検証を行い,数値的な課題の洗い出しと,性能の確認を進める必要がある. 予定では次年度での研究内容はここまでであるが,もし予定より研究が進んだ場合には,ハードウェア上での検証へと順に進めていく.
|
次年度の研究費の使用計画 |
初年度に予定していた研究内容に多少の遅れがあるため,予定していた検証用ハードウェアの購入を遅らせた.次年度へ繰り越す予算の多くは,この分によるものである. 上述の検証用ハードウェアの購入は,一定の準備が整い次第,繰り越した予算により行う予定である.それ以外の予算に関しては,当初予定していたものと同様に進める事を予定している.
|