研究課題
挑戦的萌芽研究
本研究「マルチエージェントによるファジィ雰囲気場の提案」では、数十以上の多数のエージェント(ロボットや人間)が、直接、或いはインターネット接続された状態で、コミュニケーション(情報交換)を行う場/社会を想定する。その場/社会での円滑な情報交換を実現するためには、個々のエージェントの感情推移と共に、「その場の雰囲気」の時間的推移をとらえることが重要と考え、それを表現するための理論をソフトコンピューティングの観点から、新たに「ファジィ雰囲気場」理論として提案し、その可視化手法を開発すると共に、具体例としてロボット5台と人間4人の集団がホームパーティを楽しむというシナリオで実施検証実験も行う。付帯技術として、インターネットにおけるファジィ割り込みやマルチモーダル雰囲気推定法も提案する。平成25年度では、研究計画に基づき、まず単語レベルの不特定話者の音声認識機能・音声発話機能・人の身振りなどの画像と3次元加速度センサによるマルチモダル・ジェスチャ認識機能・プラグイン方式での容易なインターネット接続機能、を持つ眼球ロボットを整備する。そして眼球ロボットについては、手作りで既に5台を完成している。次に個々のロボットのスペックなどを知らない人でも容易に接続できることを目指して、プラグイン方式で、5台のロボットをRTM(Robot Technology Middleware)により、インターネット接続している。最後に人間に近い感情をロボットで表現するために、快覚醒感情空間の概念を整備し、ファジィ推論を用いてロボットに種々の感情を眼球の動作で表現する。また、人間・ロボット集団が作り出す場の雰囲気を表現するために、「ファジィ雰囲気場」の理論を提案している。その研究成果として、学会(FSS2013、IWACIII2013)にて論文発表を行っている。
2: おおむね順調に進展している
研究目標としていた音声認識機能・音声発話機能・ジェスチャ認識機能をプラグイン方式でのインターネット接続機能、を持つ眼球ロボットを整備することができた。そして、プラグイン方式で、5台のロボットをRTM(Robot Technology Middleware)により、インターネット接続、ファジィ推論を用いてロボットに種々の感情を眼球の動作で表現することもできた。研究成果を、いくつかの研究会、国際会議、ジャーナル雑誌に発表することができた。以上の理由で、ほぼ予定通り研究が進んでいる。
25年度に完成した5台のロボットをインターネット接続し、人間からは音声や身振りで、ロボットからは発話音声や眼球動作で相互に意思疎通が出来るようにする。5台のロボットはそれぞれ、TV・ダーツゲーム・情報端末・カクテルバー・移動機能を持たせるようにし、家庭のリビングルームで、ホスト・ゲスト2名・飛び入りゲスト1名の計4名の人間達とホームパーティを楽しむシナリオを演出する。そこでは、その場の雰囲気をとらえ、それを動作感情に反映させて、ロボット達と人間達がお互いにさりげなく情報伝達が出来るようにする。そのために、ファジィ雰囲気場の理論を整備する。ホームパーティのシナリオを短い寸劇として上演し、その結果をDVDで編集して、各方面でデモンストレーションを行い、本研究成果の評価を行う。その結果も含めて、学会・研究会・論文誌および研究室ホームペイジなどで発表する。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 5件) 図書 (1件)
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