ソフトコンピューティングの観点から、ファジィ雰囲気場理論を提案し、音声以外の視覚・感覚情報も融合してロボット人間集団が「さりげないコミュニケーション」を行う様子を実施検証した。 初年度(平成25年度)に、音声認識機能・音声発話機能・(人の身振りなどの)画像と3次元加速度センサによるマルチモダル・ジェスチャ認識機能・プラグイン方式での容易なインターネット接続機能、を持つ眼球ロボットを、5セット整備した。人間に近い感情をロボットで表現すべく、快覚醒感情空間の概念を整備し、個々のロボットの感情のみならず、人間・ロボット集団が作り出す場の雰囲気を表現するために、「ファジィ雰囲気場」の理論を提案整備して、その概念を完成したうえで、学会・論文発表を行った。 平成26年度には、初年度に完成した5台のロボットをインターネット接続し、人間からは音声や身振りで、ロボットからは発話音声や眼球動作で相互に意思疎通が出来るようにした。5台のロボットはそれぞれ、TV・ダーツゲーム・情報端末・カクテルバー・移動機能を持たせるようにし、家庭のリビングルームで、ホスト・ゲスト2名・飛び入りゲスト1名の計4名の人間達とホームパーティを楽しむシナリオを作成した。そこでは、その場の雰囲気をとらえ、それを動作感情に反映させて、ロボット達と人間達がお互いにさりげなく情報伝達(さりげないコミュニケーション)が出来るようにしている。このことは、インターネット接続の多数のロボットとそれを利用する多数の人間の情報交換の今後のあり方を示唆するものであり、国際会議全体講演やジャーナル論文発表を行って良好な評価を得ている。
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