胸骨圧迫は救急救命の中でも最も重要な行為である.しかし,胸骨圧迫には大きな力を必要とするため,長時間運動を続けるためにエネルギー消費の小さな適切な運動をする必要があるが,適切な運動は訓練者の身長,体重に大きく依存し,体格に合った運動を求める必要がある.本研究では,運動学,動力学の観点から胸骨圧迫を体格に合わせて最適化する手法を提案した.擬似微分と零位相フィルタによって信号の速度,加速度を求める手法を提案し,トルク最小化問題を関節角度の最適化問題に帰着させた.また,小学生の胸骨圧迫を対象として,運動の最適化と同時に背負う重りの最適化も行い,心拍数の計測によりその有効性を示した.
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