研究課題/領域番号 |
25540130
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
橋本 浩一 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (80228410)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 生体情報 / ビジュアルサーボ / 位相限定法 / 3次元画像 |
研究概要 |
ショウジョウバエの匂い記憶学習の解析は長い歴史を持つが、近年の蛍光プローブ作成技術の進歩によって神経回路1細胞レベルの解析が可能になりつつある。本研究の目的は、2光子励起顕微鏡により取得した蛍光画像を4次元解析するための画像処理手法を確立することにある。生きた個体を完全に固定することは困難で、蛍光プローブは明るさがダイナミックに変化する。さらに顕微鏡の原理からスキャン速度と解像度のトレードオフがある。このような画像に対し、神経繊維が同定できる程度に精密に3 次元スタックをアライメントすること、生物の位置・姿勢変動を推定すること、時系列で神経活動をトレースすることはきわめて挑戦的である。つまり、本課題は、生物学が直面している「大量のデータは取得できるが処理できない」典型的な問題であり、成果の波及効果は大きい。 最も大きな課題は、生きた個体であるがためにサンプルが動くことにある。つまり、Z面のスキャン像をアライメントして、神経細胞をトレースできる程度の高画質な3次元像を構築し、ひとつひとつの神経細胞を時間を追って、活動解析することが目的である。 平成25年度はスライス像の位置合わせに取り組んだ。テクスチャの豊富な剛体に対する位置合わせ手法はコンピュータビジョンの基礎的な技術であるが、生体の蛍光画像に対しては有効ではない。本研究では、蛍光画像を対象として、位相限定法(フーリエ変換によりテクスチャ輝度をわざと捨てて位相情報のみを利用する方法)を応用し、輝度変化の大きい画像に対しても有効な位置合わせ手法を開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2光子顕微鏡のレーザスキャン速度に起因するフレームレートの低さから、Z方向解像度とフレームレートの間のトレードオフが重要になる。本年度はスライスごとの時間方向位置合わせ(tアライメント)に取り組んだ。位相限定相関法により、これまでに実現できなかったレベルの精密なアライメントが可能となった。一方で、生体現象の解明のためには3次元の細胞活動変化の推定(4次元復元)が不可欠である。今後、Z間隔の広いスライス像に対しても適用できるアライメント手法を開発する必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
細胞の連結性や細胞数の不変性を利用したZアライメント手法を開発し、位相限定相関法と併用することで4次元復元に取り組む。さらに、ショウジョウバエ頭部の位置・姿勢推定を行うことで、匂い反応実験の効率化に取り組む。これにより細胞レベルでのシグナル解析が可能となり、細胞の反応性や連結性の解明に繋げていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
消耗品の使用額に少額の未執行が発生した。次年度に活用する予定である。 少額の消耗品の予定である。
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