研究課題/領域番号 |
25540134
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
大林 徹也 鳥取大学, 生命機能研究支援センター, 准教授 (80348804)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 人工染色体ベクター / ゲノム編集 / レポーターシステム |
研究実績の概要 |
遺伝子発現スイッチを有する哺乳類人工染色体ベクターの開発 申請者らが開発してきたヒト人工染色体(HAC)ベクターは、遺伝子導入細胞や遺伝子導入動物作製に極めて有効なアイテムである。このHACベクターを発展させていくことでは、哺乳類細胞を人工遺伝子で創るときに必要な「人工染色体」として活用できる可能性がある。 本研究では、HACベクターに導入した遺伝子の発現をon / offできるシステムを加える。将来的には、本研究で開発したベクターはシステム生物学分野での Dryで構築した理論をWetの実験で検証する際に極めて有効なアイテムになると考えている。 薬物投与により遺伝子発現を制御fするスイッチ、タンパク質分解の制御をするスイッチの人工染色体ベクターの搭載を行うとともに、複数の部位特異的組換え酵素を用いた遺伝子交換スイッチの開発を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では複数の遺伝子発現スイッチを搭載させることを目的としている。複数の部位特異的組換え酵素を用いた遺伝子交換スイッチシステムは当初の目的に掲げていなかったが、予定以上の成果が出てきている。一方で、当初目的に掲げていたタンパク分解スイッチに関しては、コンストラクションは完成したものの、培養細胞での機能性評価試験で目的の評価を得ることができなかった。現在、評価系の再検討を含めた再試験を行っているため、当初目的よりやや遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
当初の目的の遺伝子発現変動スイッチ、タンパク質分解スイッチをもつマウス ES細胞を構築して、それぞれのスイッチの有効性を示す。またこれまで開発してきた遺伝子交換スイッチを持つ マウスES細胞からキメラマウスを作成し、動物個体レベルでのスイッチの有用性を検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度は、ゲノム編集技術が予想以上に進展した。本プロジェクトでは、ゲノム編集技術を用いることは想定していなかったが、将来的にはゲノム編集技術を活用した方が良いと判断した。そのため、本プロジェクトとは別にゲノム編集技術の導入の為の情報収集ならびに予備実験を行っていたために、研究の遅延が生じた。当初予定していたタンパク質分解制御コントロール AIDシステムの開発に関しては、次年度に行うように変更した。
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次年度使用額の使用計画 |
ゲノム編集技術を活用した相同組換えによる培養細微応へのノックインシステムを用いて、当初目的に掲げている複数の遺伝子発現変動スイッチ、とくにタンパク質分解スイッチに関する研究を進める。そのための遺伝子、細胞、動物作成の為の経費として使用する予定である。
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