研究課題/領域番号 |
25540137
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
平田 耕一 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (20274558)
|
研究分担者 |
伊藤 公人 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 准教授 (60396314)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 進化系統距離 / 剪定距離 / 再ラベル進化系統樹 / 剪定進化系統樹 / 合致部分木マッピングカーネル |
研究概要 |
本年度は,塩基配列集合のどの位置の塩基が進化系統に影響を与えているかを解析するために,塩基配列の集合から進化系統樹を推定し,その進化系統樹の葉のラベルをある位置の塩基に置き換えた再ラベル進化系統樹,および,再ラベル進化系統樹に近隣剪定法を適用して得られた剪定進化系統樹を導入した.そして,進化系統距離として,剪定進化系統樹のLCA保存距離とMAST距離を剪定距離として定式化した. また,インフルエンザウイルスの塩基配列集合に剪定距離に基づくクラスタリングを適用することで,インフルエンザウイルスのパンデミック前後における塩基配列位置を解析した.特に,塩基配列位置のクラスタリングについて,分離位置のクラスタリングと混合位置のクラスタリングの二つの手法を導入し,混合位置のクラスタリングでは,パンデミック前後の緩やかなクラスタを見つけることに成功した. さらに,再ラベル進化系統樹および剪定進化系統樹に適用可能な進化系統樹に対するカーネルとして合致部分木マッピングカーネルを新たに導入し,葉の数の二乗時間で計算するアルゴリズムを設計した.そして,合致部分木マッピングカーネルをインフルエンザウイルスの塩基配列から構成された再ラベル進化系統樹および剪定進化系統樹に適用することにより,パンデミック前後のインフルエンザウイルス,および,ある地域で発生するインフルエンザウイルスと別の地域で発生するインフルエンザウイルスを高精度で分類することに成功した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画より早く,進化系統距離とそれに基づくクラスタリング,および,再ラベル進化系統樹および剪定進化系統樹に適用可能な進化系統樹に対するカーネルとして合致部分木マッピングカーネルの設計まで到達することができたため.
|
今後の研究の推進方策 |
再ラベル進化系統樹および剪定進化系統樹に適用可能な進化系統樹に対するカーネルとして,新たに葉間パスカーネルを設計して実装する.また,これまでの設定では,パッケージングシグナル位置解析にはこれらのカーネルの精度が非常に悪くなったため,その解決策を探る.さらに,進化系統樹を葉ラベル木まで拡張した場合のカーネル設計に対する理論的な可能性を追求する.
|
次年度の研究費の使用計画 |
予定していた人件費を使用せずに済んだため 昨年度購入予定だった物品を購入する
|