本研究では,塩基配列から進化系統樹を推定し,葉のラベルをある位置の塩基に置換した再ラベル進化系統樹,および,その二分枝を剪定することで得られる剪定進化系統樹に基づいてA型インフルエンザウイルスの塩基配列の解析に取り組んだ.まず,剪定進化系統樹間の距離としての剪定距離を導入し,剪定距離に基づくクラスタリングによってA型インフルエンザウイルスのパンデミックを解析した.次に,進化系統樹に適用可能かつ多項式時間計算可能な合致部分木マッピングカーネルと葉間パスカーネルを導入し,再ラベルおよび剪定進化系統樹を類別用することで,A型インフルエンザのパンデミック,地域間相違,パッケージング位置を解析した.
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