研究課題/領域番号 |
25540147
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高橋 豊 京都大学, 情報学研究科, 教授 (00135526)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | スマートグリッド / AMI / マルチホップ無線ネットワーク / 数理モデル / トラヒック解析 |
研究概要 |
スマートグリッドにおける、各需要家と電力会社間の電力消費に関するリアルタイムな情報交換を可能にするAMI(Automated Metering Infrastructure)構築に向けたシステム構成に関する研究を行っている。AMIは低遅延かつ高信頼であることが求められ、さらにはモバイル・ノードなどを想定し、トポロジー変化に柔軟かつ動的に対応し、電力消費にも配慮する必要がある。本研究では、このような点を鑑み、マルチホップ無線リレーによるネットワークを検討対象とする。本年度は次のような研究成果を得た。 1.マルチホップ無線ネットワークの構成論に関する基礎検討 AMIにおける定期および非定期トラヒックを統合する通信方式の開発を行った。AMIにおいては例えば30分間隔の電力消費などの定期型トラヒックとデマンドレスポンスの情報送信などの非定期トラヒックの混在があり、これらをそれぞれのQoSを確保しながら送受信する通信方式の検討を行い、数理モデルの提案と性能解析を行った。 2.マルチホップ無線における情報可到達性の改善 マルチホップ無線通信におけるスループット保証を目指した基礎的検討を行った。マルチホップ通信においてはホップ数が増えるとスループットが低下する問題があり、それを緩和する通信方式の提案とその数理モデルの開発および性能解析を行った。またその有効性を数値計算結果を基に行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の研究計画は概ね達成されたと判断する。このことはAMIに関する上記研究に興味を持った民間企業と今年度から共同研究を開始することになったことからも推定される。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は次のような研究を推進する予定である。 ○AMIにおけるアプリケーション層・ネットワーク層統合型通信方式 AMIにおいては消費電力状況などのアプリケーション層での通信と通信経路の構築・更新などのネットワーク層での通信が並行して行われる。前者は通信機会を高信頼度で保証する必要があり、後者は即応した通信機会を提供する必要がある。またこれらが相互に干渉する可能性も考慮する必要がある。これらの要因を適切に反映した数理モデルを構築し、統合方式の有効性を検討するために性能解析を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度にシミュレーション実験用途にPC購入を計画し、30万円を計上していたが、本年度は数理モデルおよび性能解析を重点的に行い、シミュレーション実験は次年度に回したため、その予算相当額を次年度に繰り越したため。 シミュレーション実験用途にPCを購入する。
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